上写真=1年ぶりに代表復帰し、前半のみの出場ながらハイパフォーマンスを披露した伊藤洋輝(写真◎Getty Images)
悠長なことを言っていられない
心配は杞憂に終わった。3バックの左ストッパーとして昨年の3月以来の代表戦でプレーした伊藤洋輝は、攻守ともにハイレベルのプレーを見せた。
鋭い読みと適格な位置取りで相手を押さえ込み、攻撃に転じれば、左ウイングバックの前田大然をサポートしつつ、攻め上がってビルドアップにも関与した。
「(裏に出したパスについて)大然と試合前から話し合っていたので。通らなかった部分はありますけど、狙い自体は悪くなかったと思います。お互いの特徴を生かせるようなプレーだと思うんで、スペースがあればもっとよかったんですけど、もう少し食いつかせて狙えれば」
伊藤がプレーしたのは前半45分のみ。おそらくは怪我明けで無理させなかったためと、イングランド戦でより長くプレーすることを見越してもことのだろう。
これまで日本の左右のセンターバックは、攻撃陣との関わりという点でスムーズさを欠き、ビルドアップの面でたびたび停滞を招く要因をつくった。だが伊藤は代表歴の浅い選手が多い中で、スペースを見つけ、ポジションを取り、パスを循環させた。サイドを変えるレンジの長いパスという持ち味も要所で発揮した。
「中盤はスペースがあって細かいパスからサイドに展開してっていうのはいい形が出ていた。まあ初めて出る選手もいたし、若い選手もいたんで、堅い入りだったけど、そこは徐々に良くなってきたかなと思う」
次戦はイングランド戦。W杯に向けた準備として、日本が掲げる目標まで距離を測る一戦になる。
「ボール保持される時間はもっともっと増えるだろうし、守備でも押し込まれる時間は長いと思う。そういう戦いも受け入れながら、もちろん90分間守るわけにもいかないんで、つなげるところはつなぎながら攻撃に行ければいいと思う」
本番で残り3カ月を切っている。「もうW杯まで時間がないんで、悠長なことは言ってられない。チームとしてもっと突き詰めていけばいい」。スコットランド戦を終えた直後にもかかわらず、伊藤はすぐに視線を前に向けていた。
