上写真=前田大然は自慢の速さをチームのために生かす覚悟だ(写真◎青山知雄)
「何をするかはもう分かっている」
その危機感は、相当なものがある。
「10月はプレーできなくて、今回もこれを逃しちゃうともう(次の活動は)3月なので、どうしてもこのシリーズに来たかった。しっかり自分のプレーを、自分の良さを出していかないとダメなのかなと」
10月はパラグアイ戦のあとに、負傷のため代表を離脱することになった。ブラジル戦の歴史的初勝利は、所属するセルティック(スコットランド)に戻ったあとにリハビリをしながら前半だけ見ることができたのだという。
「前半しか見る時間がなくて、負けたかなって思っていて、結果を見たら勝ったので、すごいなって思いました」
仲間をそう称えたが、自分の立場を考えると心穏やかではない。
「個人としてもスタメンで出るのは、やっぱり現状は厳しいのかなというのも正直感じてるので。でも、その中でもこうやって呼ばれている意味を自分で理解しているので、途中から出たときに何をするかはもう分かっているので、それをやるだけ」
森保一監督とは「いろいろと話しているし、しっかり理解している」と明かして、コミュニケーションの深さをうかがわせた。そこで求められるのは、やはり持ち味を出し切ること。前田はもちろん、スピードだ。
「守備の部分でチームを助けるプレーとか、しんどいときに前に出ていくとか、後ろに下がるとか、その中でもやっぱりゴールが求められてると思う。そういうところをまた出していけたらなと思います」
速さで仲間を助ける。「どうしても来たかった」この11月シリーズで、自らが最も生きるプレーを繰り返してチームに貢献する覚悟だ。
