ブラジルとの親善試合を翌日に控え、日本代表は10月13日に味の素スタジアムで前日練習を行った。谷口彰悟は出場すれば1年ぶりの復帰。世界最高峰の相手への初勝利、そして「谷口ここにあり」を見せつけるためにイメージしていることとは。

上写真=谷口彰悟が軽やかに前日練習で汗を流した。1年ぶりの復帰に期待(写真◎青山知雄)

人があふれ出てくる守備

 どうやって勝つか。

 日本がまだ一度も勝ったことのない世界最高峰のブラジルを相手に、どう戦うか、ではなく、どう勝つか、が10月14日のテストマッチのテーマだ。

「キーポイントはやっぱりコンパクト、というところですね」

 谷口彰悟はDFとしての目線で勝利への道筋を探る。

「そのコンパクトをどの位置でどう作るかはゲームの状況次第で変わってきますけど、統一感を持ってやるのが、ああいう強いチームに勝つために大事なポイントになる」

 森保一監督も「前向きなコンパクトブロック」という表現を使って、ブラジル戦の戦い方を「予告」している。

 もちろん、ブラジルは強い。ただ強いのではなく、ものすごく強い。谷口も最大級の警戒網を張る。

「(こちらの)戦術もありますけど、そういうものを無にしてくるような、個の能力の高さがある。だから、やっぱりベースのところ、1対1のところで簡単にやられずに、個々のバトルを戦いながら、なおかつ組織的に。そこが日本の強みなので、1対1で簡単にやられてしまいました、失敗しました、じゃなくて、もし抜かれたらその次、またその次と人があふれ出てくる守備ができると思っています」

 必要なのは「呼吸する時間」だという。

「こういう相手には、こちらがボールを持つ時間をできるだけ長くしたい。呼吸する時間というか、ボールを持ちながら探っていって、体力を配分していくというか。守備ばかりでサンドバッグ状態だときついですから」

 パスの長さやスピードを変える技術を持つ谷口が、最終ラインからその「呼吸する時間」を作ることができれば、ゲームマネジメントはうまくいく。

 出場すれば、1年ぶりの復帰戦だ。2024年10月15日の北中米ワールドカップアジア最終予選第4節、オーストラリアとのホームゲームに出場したあと、ベルギーに戻って左アキレス腱断裂の重傷を負った。

 そのオーストラリア戦は1-1で引き分けているが、先制されたのは谷口のオウンゴールによるものだった。あの悔しさを晴らすためにも、過去の対戦成績が2分け11敗という「王国」から初めての勝利を奪って、最高のリスタートにしたい。

「これ以上ない相手ですし、そういう相手にきちんとしたプレーができれば、本番に向けてやってきたことが自信になると思います。ワールドカップはこれぐらいのレベルの相手としか戦わないので、単なるシーズンの試合とかチャレンジの試合というのではなくて、どうやったら勝てるのかをしっかりとみんなで合わせながら臨みたい」


This article is a sponsored article by
''.