上写真=前日練習でランニングをする渡辺剛(写真◎青山知雄)
上田綺世と刺激し合う関係
今夏加入したフェイエノールトで早速、欠かせない存在になっている。オランダリーグでは開幕から8試合すべてに先発フル出場。4バックの左センターバックとして堅守を支え、無敗で首位に立つチームをけん引している。
「試合に出られているのと、チームも負けていない。ヨーロッパリーグは負けていますけど、リーグで負けていないっていうところは自信を持ってやれている部分」
個の強さはコルトレイクやヘントでプレーしていたベルギー時代から示していたが、加入後、すぐに統率力も発揮し、フェイエノールトの最終ラインを引き締めている。
「自分のところから決められるシーンはあまりない中で、チームとしてどう守るかは、この代表でも大事ですし。全体の守り方が自分の評価につながるのは、新しくステップアップして感じる部分ではあります。まずは自分のところを抑えることもそうですけど、どうやって守備を構築しながら、自分以外のところを守れるかも自分のタスクだと思っているので、そこは意識しながらやっています」
今回は代表常連の板倉滉が不在で、リーダーシップや統率力という点で渡辺にかかる期待は大きい。
「もともと守備を人の責任にしたくないというか。自分が統率して守りたい気持ちはあります。それを得意として今までやってきている中で、それが代表でも発揮できるような、立場じゃないですけど、誰が出てもいいんですけど、自分もそういうのを出せるようになってきたと思う。そこで結果を出さないといけないし、失点の部分は自分の責任にもなる。そういうことを自分で組織できるのは、自分にとってもプラスかなと思います」
フェイエノールトでチームメイトの上田綺世も8試合で8ゴールと好調を維持したまま、代表に合流した。
「(上田は)もともと能力のある選手で、結果が出ていない時期もありましたけど、今はもう見てわかる通り、コンディションもいいですし、チームの核じゃないですけど、彼がいないと点が取れない状況である。自分も一緒にいる中で努力しているのは見ていますし、うれしい。彼もたぶん自分が入って、自分の調子の良さに影響されて調子が上がっているし、彼の調子の良さが自分にも影響を与えていると思う。普段、仲はいいですけど、サッカーになると引っ張り合えるタイプなんじゃないですかね。いい関係性だなと僕は思っています」
互いに刺激し合うフェイエノールトの攻守の要は、代表のピッチでも響き合うことができるか。そうなれば、日本は間違いなく好結果を得ることになるだろう。
取材◎佐藤景
