サッカー日本代表は現地9日、アメリカ・オハイオ州コロンバスでアメリカ代表と対戦し、0−2で完敗した。日本にチャンスがなかったわけではないが、鎌田大地や三笘薫らコアメンバーが交代出場し、反撃のギアを入れようとした直後の2失点目が痛かった。失点に絡んだ関根大輝の証言からその原因をひも解く。

上写真=ダウンズと競り合う関根大輝(写真◎Getty Images)

あの状況を作った時点で自分の負け

 3−4−2−1の3バックの右ストッパーとして先発した関根大輝は試合後、悔しさを噛み締めながら言った。

「ボールを握るところで正直、後手を踏んでた部分もありますし、とにかく自分自身はまず前にプレーをしようと心がけて試合に入ってましたけど、まずミスも多く、前半も含めて無駄なバックパスが多かった。個人としてもそうですし、チームとしても、相手のスイッチがかかっちゃうような、バックパスの仕方が多かった印象があります」

 攻撃面での狙いは整理して試合に入っていた。相手の第一守備ラインを突破し、斜めに1トップの小川航基へクサビのパスを打ち込んで、攻撃のスイッチを入れること。しかし、関根の体感では「1本ぐらい」しか出すことはできなかった。その結果、ピッチ上で良いタイミングで小川までのルートを見つけられず、行き詰まってバックパスをすることになった。そのバックパスが、たびたび相手に前向きの勢いを出させるようなパスになった。

「ハーフタイムにコーチ陣から指摘もされましたし、そこでシステム変更という形をトライしましたけど、(ボールを)奪ってからのカウンターだったり、そういうチャンスはありましたが、先に失点してしまったことが、この試合のキーになりました。後半、(鎌田)大地くんとか、そういう選手を入れてギアを上げようとしたタイミングで、2失点目。自分のところですけど、簡単な失点をしてしまった。あれがなければ、同点に追いつくチャンスもあったと思いますし、逆転するチャンスも全然あったと思うので、そういうところが今日の試合で出た課題だと思います」

 関根が指摘した65分の2失点目の場面。敵陣の相手FKの流れから、日本の右サイドにいたプリシッチにボールが渡ると、佐野海舟がアプローチに向かったがアタックできずに振り切られ、ボックス内にパスを出されてしまう。関根は背後にバログンを確認しながら後退していたが、パスが出ると同時に前に入りこまれ、シュートを許してしまった。

「最初、シャドーというか、(南野)拓実くんが付いていて、そこで左に相手がまた1枚来たので、(佐野)海舟くんと拓実くんが(マークを)スイッチしていたタイミングで(試合を)始められてしまった。まずそのタイミングが悪かったのもありましたし、その後の対応の部分で、バログンの特徴をわかっていたし、あの形でゴール決めているのは映像で見ていたので、そこを防ぐように自分としては走るライン取りを外側にできたかなとは思います」

 映像を見返すと、南野がピッチ上で指示を送り、佐野海が確認した、まさにその瞬間にアメリカは試合を再開していた。果たして日本は後手に回る守備を強いられ、ドリブルで迫るプリシッチから関根の外側にボールを通されてバログンに走り込まれる。関根の立場からすれば、1人で2人を見るような状況だっただけに、ミスというにはあまりにも難しいプレーだったが、このレベルでは一つの判断が致命傷につながる。関根は、そのことを痛感した。

「もう、ああなって体を入れられたら正直、PKにするしかなかった。なので、ああいう状況を作った時点で自分の負けだったと思う。プリシッチのところをフリーで簡単に前に向かせたのが1つ目、でもそうなった以上、プリシッチ、バログンの形というのはアメリカ代表の1つの特徴だと分かっていたので、もうちょっと防ぎ方はあったんじゃないかなっていうのは終わってから感じました」


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