サッカー日本代表は現地9日、アメリカ遠征の2戦目でアメリカ代表と対戦する(日本時間10日8時37分開始/@Lower.comフィールド)。来年のワールドカップ(W杯)開催国の1つでもあるアメリカ代表はどんなチームなのか。森保ジャパンの次なる相手の現状を探った。

上写真=先日の韓国戦は不用意な失点で敗れたが、後半は圧倒する内容を見せていたアメリカ代表(写真◎Getty Images)

韓国戦では守備の脆さを露呈

 アメリカ代表は日本代表がメキシコ代表する1日前に韓国代表と国際親善試合を行ない、0-2で敗れた。

 ボール支配率54%、シュート17本と攻撃面で韓国を圧倒するスタッツを残し、ゴール期待値(xG)でも2.23対0.74と大差をつけた。それでも失点を重ねた原因は明らかだ。センターバックの2人によるラインコントロールが甘く、とりわけA代表デビューとなったトリスタン・ブラックモンが簡単に背後を突かれてしまった。

 後半途中からはクリス・リチャーズを投入して4バックから3バックへ移行。ウイングバックに高い位置を取らせることで韓国代表を押し込んだが、ゴールネットは揺らせなかった。前半に喫した不用意な2失点が大きく響いた末の敗戦だった。

 マウリシオ・ポチェッティーノ監督はワールドカップ本大会まで1年を切った現段階で、チームの軸を定めきれずにいる。例えば2024年9月の就任以降に17試合を戦っていながら、センターバックを固定できていない。コミュニケーションや連係の不足が目立ったティム・リームとブラックモンのコンビは17試合で9組目だった。

 スカッド全体を見ても、今年3月のCONCACAFネーションズリーグ・ファイナルズでは欧州組を大量に招集したが、同6月開幕のCONCACAFゴールドカップでは国内組中心、そして今回の9月シリーズはゴールドカップ出場メンバーの約半数に欧州組を加えるという中途半端な編成になっている。

 今夏に関してはウェストン・マッケニーやティモシー・ウェア、ジオバニ・レイナがクラブW杯出場のため代表参加を回避し、クリスティアン・プリシッチにも休養が与えられるなど招集に一部制約があった。それでもネーションズリーグで4連覇を逃し、ゴールドカップで2大会続けて優勝できなかった事実がチームづくりの停滞を物語っていると言えよう。

 2018年6月に自国でのW杯開催が決まってから、アメリカはその大舞台で躍進することを目指して強化を進めてきたはずだった。2022年のカタールW杯に出場したアメリカ代表メンバーの中心は20代前半の若手選手たちで、彼らが順調に成長すればそのまま2026年の北中米W杯で大きな成果を挙げることができる。カタールの地でのW杯ベスト16進出という結果からも希望は見えていた。

 ところが、大会直後からA代表の強化が困難に直面する。カタールW杯期間中にレイナの起用法をめぐるトラブルが発端となり、当時のグレッグ・バーホルター監督に過去のDV疑惑が浮上。大会後に契約が満了となる同監督が続投するのか退任するのかは、アメリカサッカー協会による調査を待って決めることとなった。

 以降の約半年間はバーホルター監督のアシスタントコーチだったアンソニー・ハドソンとBJ・キャラハンが順に暫定監督を務め、その間に疑惑の晴れた指揮官の再任が決定する。ところが北中米W杯までの契約を結んだバーホルター監督は2024年7月、招待国として参加したコパ・アメリカ(南米選手権)でのグループステージ敗退を理由に解任されてしまう。

 再び監督不在となったアメリカ代表は2024年の9月シリーズをマイキー・バルガス暫定監督(第2次バーホルター体制でアシスタントコーチだった)のもとで戦い、続く10月シリーズからポチェッティーノ新監督が正式にチームを引き継ぐこととなった。


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