上写真=2025年初めての代表活動となる小川航基。強い思いを持って臨んでいる(写真◎サッカーマガジン)
勝負はここから
小川航基は、ピッチで結果を出し、代表における存在感を高めてきた。貴重なゴールがその道を切り開いたと言っていい。
昨年9月、アウェーのバーレーン戦。65分に上田綺世に代わってピッチに入ると81分、中村敬斗のシュートのこぼれ球をプッシュ。5−0の勝利に貢献した。
10月、アウェーのサウジアラビア戦。過去3度戦って未勝利という日本にとって鬼門の地で、交代出場から5分後の81分、伊東純也のCKに合わせて豪快なヘッドを決め、チームを2−0の勝利に導いた。
11月もアウェーの2試合で力を示した。先発を果たすと、インドネシア戦では相手のオウンゴールを誘発して先制点をスコアしたのに続き、中国戦ではヘッド2発で勝利を引き寄せた。39分の左CKの場面では久保建英のキックに飛び込んで先制点をもぎ取り、1点を返された直後の54分には伊東のクロスから再び勝ち越すゴールを突き刺した。
試合に出るたびに着実に力を示してきたが、その後はケガもあって代表から遠ざかる。今回の活動は昨年11月以来の代表復帰。久々の代表に、小川本人並々ならぬ思いを持って臨んでいる。
「勝負はここからというか、本当にヨーロッパのトップトップでプレーしている選手たちがいる国々と、ここから対戦していくと思うんですけど、そういうところで本当に選手としても、チームとしても進化というか、チーム力が試されると思う。その中でしっかりと僕が得点を取って、このチームのストライカーは小川だって言われるぐらい、しっかり得点を、数字をどんどん、どんどん強い相手に伸ばしていければと思います」
小川不在の間、6月の活動では町野修斗が持ち味を示し、柏で復調の兆しを見せる細谷真大も虎視眈々と定位置獲りを狙う。上田綺世にいたっては所属するフェイエノールトで絶好調。ライバルひしめく中で、小川は再びその力を示す必要がある。
だが、本人は最終予選で得点する前、つまり代表で存在感がまだまだ薄かったときと変わらず言うのだった。
「僕は真ん中に、ゴール前にいて、しっかりと得点を取れるっていうのは、去年、最終予選で少ない出場時間なのにも関わらず取れたっていう自負がある。しっかりとゴール前にボールを運んでくれれば得点を取れるんだっていうところをチームメイトのみんなに伝えて、そういうシーンをたくさん増やしていけるようにしたい」
得点を取ることに関しては自信があるーー。小川がこれまで何度も繰り返してきた言葉だ。最終予選前に話を聞いたときには「僕自身は今、日本にいる中で僕が一番点を取れると思っている」と言い切っていた。果たして小川はその言葉通りに、結果を出し、道を切り開いた。
日本がワールドカップで結果を出すために、貴重な機会となる今回のテストマッチ2連戦。小川にとっては再び代表でその力を示す、重要な舞台となる。
