アメリカ遠征中のサッカー日本代表は現地2日、前日に引き続き、オークランド近郊で全体練習を行なった。この日から前田大然、菅原由勢が合流し、27人全員がそろった。約1時間のトレーニング終了後、久保建英が取材に応じた。

上写真=アメリカ遠征でも中心選手としてチームをけん引することが期待される久保建英(写真◎サッカーマガジン)

システムでサッカーするわけじゃない

 2023年10月以降、予選がスタートしたためにアジア勢との対戦が続いていた日本だが、今回のアメリカ遠征で久々にアジア勢以外と対戦する。6日にオークランドで戦うメキシコのFIFAランキングは現在13位。9日にコロンバスで相まみえるアメリカは15位。日本の現在地をはかるには格好の相手と言えるだろう。

 アジア最終予選は3−4−2−1システムをベースとし、相手を圧倒して勝利を重ねた日本が、来年の本大会でも対戦するであろうレベルのチームを前にして、どんな戦いを見せるのか。今回のアメリカ遠征の大きなポイントだろう。2日目のトレーニング終了後、取材に応じた久保建英は、ワールドカップで勝つために最適な形とは? と問われてこう言った。

「分からないですけど、そもそもシステムでサッカーするわけじゃないので、どっちかというと、3バックというより多分、いま試しているのは攻撃的な選手を多く置いて、ほぼウイングみたいな形でウイングバックを置いて攻めていくこと。前に人数をかけて攻めていくというのをトライしていると思うんで。それがうまくいったことが一番大事なんじゃないですか」

 両ウイングバックに攻撃的な選手を配し、3−4−2−1で攻め倒す戦い方には、5バックや守備に軸足を置いて守るアジア勢からゴールを奪う狙いがあった。実際、その狙いを実現し、日本は史上最速で予選突破を決めている。では、その形を今回も継続して試すべきか、それとも他の戦い方を選択するべきか。

「まあ優勝したい優勝したいって言うんだったら、このレベルの相手に、自分たちのやりたことができなかったら、優勝できないんじゃないですか」

 目標を「優勝」と明言している以上、受け身で臨むのではなく主体性を持って戦うことが必要になるということ。

「今までと同じ戦い方でこっちが主導権を握っていく戦いを、まずはやってみても無理だったら、また次の考えに移行したらいいんじゃないですか」

 主導権を握るイメージを持った上で、状況に応じたプレーが必要になると久保は指摘した。

「ここから先、アジア(と対戦するとき)みたいに、僕があそこまで下がってボールを組み立てっていうレベルの相手はないと思う。そこまでのことはできないと思いますけど、ボールを持ったときにやっぱり積極的に関わって、時間を作って、自分たちのマイボールを増やすという役割ができるかなと思っているので、そこは重点的にやっていければと思います」

 メキシコもアメリカもワールドカップの開催国。つまりはポット1に入る国だ。今回は、そんな相手と貴重なテストマッチ2連戦に臨む。一筋縄ではいかないことは間違いないが、注目すべきは日本が主体的に戦えるか否か。そのためにはピッチ上で常に最適解を探り、それを出そうと試みる久保のプレーが欠かせないーー。


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