プロ化以前の日本サッカーリーグ（JSL）や日本代表で長年活躍した釜本邦茂さんが8月10日に亡くなった。享年81歳。JSLと日本代表で最多得点記録を残している日本サッカー史上最高のストライカーで、現役引退後はJリーグのガンバ大阪で監督としてチームを率い、日本サッカー協会（JFA）の副会長や顧問も務めた。
上写真＝ヤンマーと日本代表のエースストライカーとして活躍した釜本さん。驚異的な得点力を誇った（写真◎サッカーマガジン）
メキシコ五輪での銅メダル獲得に貢献
1944年4月15日生まれ、京都府出身の釜本さんは、地元の山城高を経て早稲田大に進み、在学中に日本代表に選出されて64年東京五輪に出場した。67年にJSLのヤンマーに加入するとエースストライカーとして活躍。JSL通算251試合に出場、2位の85得点を大きく突き放して史上最多となる202得点を記録したほか、得点王7回、ハットトリック13回も史上最多で、JSLで4回、天皇杯で3回の優勝に貢献した。
日本代表では68年メキシコ五輪にも出場し、7得点を挙げて大会得点王に輝くとともに、3位での銅メダル獲得に貢献。国際Aマッチでも76試合に出場して史上最多の75得点を挙げた、日本サッカー史上最高のストライカーだった。
監督兼選手の時代を経て84年に現役を引退し、91年にはJリーグ参入が決まっていた松下電器、のちのガンバ大阪の監督に就任し、94年まで指揮を執る。98年にJFAの副会長に就任し、2002年日韓ワールドカップ日本組織委員会理事などを務めた。
JFAの発表によると、かねてから病気療養中で、肺炎のため8月10日午前4時4分に大阪市内の病院で死去した。通夜・告別式は関係者のみで執り行なわれる予定となっている。
