サッカー日本代表は8日、『EAFF E-1選手権』の初戦、香港戦に臨んだ。3バックの左センターバックで先発した古賀太陽は、久々の代表での試合ながら攻守に安定したプレーを見せ、勝利に大きく貢献した。

上写真=2019年12月以来となる代表戦で攻守に印象的なプレーを見せた古賀太陽(写真◎Getty Images)

5年半前の同じ香港戦以来となる代表戦

 古賀太陽が代表デビューを飾ったのは2019年12月。今大会と同様にEー1選手権で、しかもこの日と同じ香港戦だった。以来、2度目となる代表戦に、3バックの左センターバックとして先発した。

 今季好調の柏レイソルでは同じ3バックでも中央でプレーしているが、90分間、役割を全う。守備では破綻なく、攻撃ではビルドアップでらしさを発揮した。

「同じシステムでプレーしている選手が多いですし、大きなエラーはなかったと思う。役割をはっきりさせながらやれていました」

 今季のJ1で好調を維持し、目下、首位に立つ柏レイソルを守備の要としてけん引する。その自信が久々の代表のピッチでも表れていた。

「今シーズンはなかなか左でやることがなかったんで、多少景色の違いだったりとか、役割も異なるとは思うので、そこは少し違和感みたいなものはありましたけど、でも今日に関しては相手もあんまり(前に)出てこなかったので、割と自分にも時間はありましたし、そのおかげで自分も縦パスを出していけた」

 とりわけ目を引いたのが、縦パスだ。22分にはジャーメイン良の3点目の起点になった。ブロックの中にポジションを取った川辺駿に縦パスを通すと、川辺、その背後に垣田裕暉が連続でフリック。相手の虚を突くプレーの連続から最後はジャーメインがコントロールしたシュートでネットを揺らした。一連のプレーの出発点となったのが、古賀の鋭い縦パスだった。

「監督からもそうですし、チームのミーティングでもそうですけど、やっぱり縦にさせるときはどんどんさしてほしいということを言われていますし、そこがなかったら自分の良さはないとは思っているので。受け手のみんなも、何回かずれるシーンもありましたけど、いい準備してくれていた。なので自分のタイミングでしっかり出せたかなと思います」

 古賀自身も手応えを感じた様子だった。ただ、この1試合で自身の代表での未来を切り開いたとは考えていない。そのためにやるべきことはまだまだあるとも言った。

「もっともっとやらないといけないというのは今日、改めて痛感しました。国際大会に慣れていかなければと感じますし、まだまだ課題ばかりです。でも残り2試合あるので、自分の出番がどうなるかはわからないですけど、出た時にはもっともっと自分の良さを出していけるように、スタッフにも理解してもらえるようなパフォーマンスを出したい」

 香港と力の差があったため、守備機会はそれほど多くなかったが、攻撃面では積極的なボールの持ち出しと効果的な縦パスで持ち味を存分に発揮した。そして本人はこの一戦に満足せず、より強い相手との対戦もすでにイメージしている。

「例えば今日で言うと(3バックの中央の)荒木選手から(左WBの)相馬くんまで(パスを)飛ばせるように、自分が内側に入ってスペースを作る仕事ももっと必要になってくると思いますし、内側で(相馬を)サポートするとか、オーバーラップしていくとか、そういうバリエーションを見せていかないといけない。もっともっとレベルが上がった時には簡単に崩させてもらえないとは思うので、その役割も自分自身には求めてやっていきたいと思います」

 タイトな日程を考えると、次の出番は3戦目に当たる15日の韓国戦か。いずれにせよ、はっきりしているのは古賀にとって残りの活動期間、その一瞬一瞬が代表定着につながる重要な機会になるということだろう。

取材・文◎佐藤景(現地)


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