上写真=伊東純也は先発でも途中出場でも、ドリブルでもセットプレーでも、ゴールに絡む(写真◎サッカーマガジン)
前回のサウジアラビア戦でもアシスト
日本はすでにワールドカップ出場を決めていて、サウジアラビアは2位のオーストラリアに勝ち点1差の3位で必死の状況。現時点の立場の差がピッチのパフォーマンスに反映されるのではないか、という懸念を払拭することが、この90分には求められている。
「消化試合ではないですし、自分たちが、出る人が責任を持って勝利を目指して頑張らなければいけないなと思います」
試合への向かい方をそう表現したのは、伊東純也だ。ワールドカップ出場を決めたバーレーン戦では63分にピッチに出て、勝利に貢献。相手のドラガン・タライッチ監督からアウェーゲームのときに続いてユニフォームをねだられたということで、「なんかファンだと言われて、頑張ってと言ってもらえて、雰囲気的に断れなかった」と笑った。
この最終予選では全7試合すべてに出場したが、6試合が途中からの出場。ゲームチェンジャーとしての役割がとにかく効いている。
「個人としてやることは変わらないですし、代表で試合に出たらゴールに絡む動きが求められていると思うので、アシストなりゴールなりで結果を出したいと思います。いまチーム(スタッド・ランス=フランス)の状態が悪いので、チームではしっかり勝利に貢献できるように頑張りたいなと思います」
その「アシスト」は、バーレーン戦でも記録している。87分の左CKで短く久保建英からのボールを受けてすぐに戻し、そのまま久保が持ち運んでニアに蹴り込む追加点を導いた。
「(セットプレーは)自チームで蹴っているというのもありますし、自チームより代表の方がデザインされて決めやすいなと(笑)。いいところに蹴れば決めてくれるので。この前のタケのショートコーナーでアシストがついたのもそうですけど、デザインがうまくいっている場面がありますね」
CKではキッカーを務めることも多い。セットプレーからの得点は、シビアな戦いになればなるほど効果が絶大なものとなる。
「トップレベルになってもセットプレーというのは本当に大事になってくる。そこでゴールできればデカいですし、相手にやられないこともそうですけど、セットプレーで1点取れれば流れが来ることもあるので、そういう部分は大事かなと思います」
得意の縦突破からのクロスはもちろん、セットプレーでもゴールに直結する仕事ができるから、バーレーンのタライッチ監督でなくてもファンになるのは当たり前のこと。
「結果を出すことが大事だと思うので、そういういろいろな形で得点に絡めているのはいいことだと思います」
自らのバリエーションの広がりを素直に喜ぶ32歳。昨年10月、アウェーでのサウジアラビア戦でも81分に右CKを蹴って小川航基の頭にぴたりと合わせ、追加点をアシストしてみせた。3月25日のホームゲームでも、その再現を!