上写真=板倉滉(左)が守備のリーダーとして存在感を高めた最終予選だった(写真◎高野 徹)
■2025年3月20日 北中米W杯・アジア最終予選7節(観衆58,137人@埼玉ス)
日本 2-0 バーレーン
得点:(日)鎌田大地、久保建英

森保一監督に歓喜のウォーターシャワー!(写真◎小山真司)
「分かり合ってる情報でも」
ワールドカップ出場を決めて、板倉滉の率直な思いはこうだ。
「ホッとしましたね。毎回、最終予選のこの緊張感やプレッシャーは常に感じながらやってきましたし、それがいい結果であろうと悪い結果であろうと、そこは変わらずここまでやってくることができました。逆にその緊張感をチーム全員が持てているところがこの結果につながったと思います。たから、終わった瞬間は、まずはホッとしたという、そういう気持ちですね」
ワールドカップ出場を世界最速で決めたこの日本代表の強さに、多くの人が称賛を送っている。ではその根源は、どこにあるのか。板倉は断言する。基本。
「ケガ人が出てメンバーが変わりながらやってましたけど、ただ、やることは変わらないんです。気を抜かず、攻めている時間が長いときもありますけど、その後のリスクマネージメントという基本のところをちゃんと忠実に徹底的にやるところを意識してやってきました」
特に守備陣に負傷者が続き、この日は最終予選2試合目の瀬古歩夢、初出場の伊藤洋輝と3バックを組んだ。いつもと違う組み合わせだからこそ、基本が大切で、しかもそれを「忠実に」「徹底的に」遂行していくことが、本当のチーム力につながるのだ。
だから、バーレーンが日本対策を施して思うようにいかない展開でも、落ち着いていた。
「もうずっとしゃべってましたし、それはもちろんお互いが分かり合ってる情報でもいいんですけど、とにかくこうしゃべりながら確認していく。特に距離感が近い選手には声も通るので、試合をやりながら修正しないといけない点も出てきますし、そこのコミュニケーションについては今日も試合を通してできたかなと思いますね」
「いつも通り」こそが一番難しいと言われるが、すでに理解し合っている情報でも言葉にして交換していくことが、その解決策の一つになった。フットボールの言語化が叫ばれて久しいが、ピッチの上で厳しい勝負に挑むそのときには、それこそが究極の言語化なのかもしれない。
史上最強とも称されるこの日本代表で、板倉が守備のリーダーとして頼られるのは、それができるからなのだろう。