上写真＝先制ゴールを決めたキャプテンの遠藤航をチームメイトが祝福する！（写真◎小山真司）
■2024年９月５日 北中米W杯・アジア最終予選１節（観衆52,398人＠埼スタ）
日本 ７−０ 中国
得点:（日）遠藤航、三笘薫、南野拓実２、伊東純也、前田大然、久保建英
攻守にスキのない戦いで勝利をつかむ
審判団の無線の調子が悪く、開始が６分遅れるという珍しいスタートとなった試合。日本は６月シリーズで試した３バックを採用し、３−４−２−１で臨んだ。対する中国は４−４−２。５バックも予想されていたが、序盤は前から積極的にボールを奪いに来た。
先手を取ったのは日本だ。堂安とポジションを入れ替えた久保が右サイドからクロスを供給。ボックス内で堂安ヘディングシュートを放ったが、これはGKにストップされた。しかし、続く左CKから待望の先制点を奪う。
12分、キッカーの久保が送ったボールは、最初はボックスの右寄りにいた遠藤が動いたニア側へ。遠藤が頭でボールをとらえ、ネットを揺らした。
デザインしたセットプレーで先制した日本はその後もボールを握り、試合を進めていった。幅を使い、相手最終ラインの背後に複数の選手が走り、敵陣でボールを回収して連続攻撃を展開した。
追加点は後半のアディショナルタイムだった。序盤からコンビネーションで中国を翻弄していた久保と堂安が絡んでサイドを変えるところがポイントだった。遠くを見られる堂安が右から正確なクロスを送ると、ボックス左で三笘がしっかり狙ってヘディングシュート。GKワン・ダーレイの届かないところへボールは吸い込まれた。
後半開始から中国はメンバー交代を行い、５バックを形成してサイド攻撃を封じにかかるが、日本の攻めは止まらなかった。52分、町田からの縦パスを受けた南野が左ワイドに構えていた三笘に展開。自らは斜めに走って再びボールを引き取ると、ファーストタッチで相手DFをかわし、３点目を奪った。
さらに、である。58分にも南野はゴールを決めた。前半から再三、鋭い縦パスを差し込んでいた町田が上田に縦パスをつけ、こぼれたところを素早くフォロー。そのままボックス内に進入し、右足一閃。４−０と中国を突き放した。
77分には途中出場の伊東がゴールを決めた。久保の横パスを受けると、ボックス右から右足を振り抜く。シュートは相手DFに当たってコースが変わり、そのままゴールイン。スタジアムは途中出場した際にもまさる大歓声に包まれ、ピッチ上ではチームメイトが伊東のもとに集まり、歓喜の輪ができた。
大量リードを手にした日本は次戦のバーレーン戦もにらみながら選手を次々と交代させたが、中国に何もさせず、時計の針を進めていった。ボールを保持し、敵陣でのボールを回収と連続攻撃を続け、87分には伊東の右クロスに飛び込んだ前田が頭でボールをとらえ、チームの６点目を記録。交代選手二人でゴールを生み出し、日本は選手層の厚さも示した。今シリーズで７カ月ぶりに代表に復帰した伊東はいきなり１ゴール１アシストの活躍を見せた。
90＋４分には伊東の横パスを受けたボックス左から久保がシュートを叩き込み、ダメのダメを押す。アディショナルタイムの５分間も手綱を緩めることなく戦いきった日本は、「鬼門」と言われていた最終予選の初戦に７発圧勝。最高の形で北中米ワールドカップに向かう旅をスタートさせた。
取材◎佐藤景
