北中米ワールドカップのアジア2次予選、第5戦は6月6日に行われ、アウェーでミャンマーと対戦した。すでに最終予選突破を決めている日本は3バックシステムを採用して戦って、最終的には5-0で勝利を収めた。得点を決めた3人が口にしたのは、それぞれの満足と反省。

上写真=小川航基が見事に2ゴールを見舞った(写真は3月の北朝鮮戦から◎Getty Images)

■2024年6月6日 北中米W杯アジア2次予選(@ヤンゴン)
ミャンマー 0-5 日本
得点:(日)中村敬斗2、堂安律、小川航基2

「悪くなかった」の実感

 3-4-2-1の並びで入った日本は、序盤から左サイドを攻めた。その中心になったのが中村敬斗だ。何度も得意のドリブルで突破を図ると、17分には早々に先制ゴールを決めた。

 鎌田大地がハーフウェーライン付近から左サイドへ展開する見事なパス。中村が受けるとスピードアップして、縦に出てから右足のアウトサイドで切り返すように中に入ると、右足を鋭く振ってニアサイドを抜くシュートを突き刺した。

「カットインするのは決めていて、相手がついてきたのでとっさに股抜きシュートに変えました」

 状況を冷静に見極めたフィニッシュだった。

 続いたのは堂安律だ。34分、こぼれ球をプッシュしてがら空きのゴールに送り込んでいる。これも左サイドから中村がドリブルで中に運びながら鎌田に預け、ターンしてシュート、左ポストに当たって堂安のところにこぼれてきた。

「押し込むだけだったのでラッキーです」

 堂安は照れ笑いだったが、中村が持ったときには右からゴール前に入り込んで要求していて、ゴールへの意欲が呼んだ追加点だった。

 次の主役は小川航基だ。75分と83分に連続ゴール。慣れないシステムとメンバーで前半は苦心したものの、時間が経つにつれて本領発揮。右からの相馬勇紀のクロスにヘッドで合わせた最初のゴールは真骨頂だ。

「勇紀くんとはずっと前からコンビを組んでいたので、ああいうクロスが入ってくるのは分かっていました。プルアウェーでディフェンスを外して、自分の特徴が出たゴールだと思います」

 右サイドから少し戻りながら左足で蹴った、ゴールに向かっていくようなクロスの軌道。マークする相手の目線がボールに奪われた瞬間に背中側から進入するのは、大の得意の動きだ。次のゴールも相馬のパスから生まれ、右からのグラウンダーのパスが相手に当たってこぼれたところを、少し戻りながら時計回りに反転して、左足でゴール右を打ち抜く冷静なシュートを見せた。

 締めは中村。ボランチに入った板倉滉がくさびのパスを差し込むと、これを受けたのが小川だった。相手にのしかかられて体勢を崩したものの、右足の裏で後ろ側に残し、これを中村がダイレクトできれいにゴール右に送り込んでみせた。

「なかなか前半はシュートまでいけずに連係面でも(ボールが)ラインを割ったりしたこともあったけれど、結果的にたくさん点が取れて、満足できる内容ではなかったが悪くなかった」

 という小川の振り返りが選手たちの実感だろう。中村は別の言葉で「しっかり勝てたことが一番大事。アウェーで気候がいつもと違ったけれど勝ててよかった」と表現した。同時に、堂安の「もっと良くなるところがあるので改善しなくちゃ」という言葉もまた本音。

 2次予選の最終戦は6月11日に広島で行われるシリア戦。時間は短いが、3バックの新しいトライと選手のコンビネーションはどこまで高まっていくだろうか。


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