上写真=オランダリーグで結果を出し、代表復帰を果たした小川航基(写真◎Getty Images)
僕自身は唯一無二だと思っています
2019年のEー1選手権以来、4年3カ月ぶりに代表に復帰した。
「だいぶ遠回りした」と本人は語ったが、同時に「ここからが勝負だなって思います」と決意をにじませた。
昨夏に横浜FCから期限付き移籍で加入したオランダのNECナイメヘンではここまで公式戦28試合で12ゴールを積み上げている。海外クラブの加入初年度にして2ケタゴールを記録するのは簡単ではないが、「海外挑戦1年目は苦しんだという記事や、選手の話とかをよく聞きますけど、僕は違う国に行って、自分のストロングのポイントを出せれば逆に取りやすいぐらいに思っている」と事もなげに言ってのけた。オランダでの充実ぶりと、自信がうかがえる。
昨秋に2次予選が始まり、アジアカップを経て、代表におけるセンターフォワードのポジション争いでは上田綺世が頭ひとつ抜け出した感がある。同じオランダでプレーするポジション争いのライバルについて話を向けられると、小川は「僕自身は彼から学ぶものがたくさんあって、常に彼の動きっていうのは見ています。僕が持っているものを、彼は持ってないところもあるし、いいものはどんどん盗んで、一緒に切磋琢磨してれば」と話したうえで、「理想は僕がストライカーになること」ときっぱり言い切った。
クロスを点でとらえる感覚や空中戦の強さ、本人が自信を持つポストワークに加え、ボックスの外から積極的に狙うシュート力も備える。その多彩な能力が代表のピッチで発揮されれば、チームの攻撃の幅が広がることは間違いない。
「(代表には)いろんなタイプのフォワードがいますけど、僕自身は唯一無二だと思っていますし、自分の色を出して、チームの勝利に貢献できるフォワードに、特に得点のところで貢献できるフォワードになれたらなと思います」
日本が準々決勝で敗退したアジアカップを見て「自分が入った時に、どうかなっていうのはイメージしていました。僕だったらこういうプレーができて、打開策、もっと僕だったらポストだったりとか、いろんなプレーでチームを助けられると思った」という。
遠回りしたが、代表復帰を目指して、その歩みを止めることはなかった。小川は日本を勝たせるために、そして自分の力を証明するために、北朝鮮との連戦に臨む。