日本サッカー協会(JFA)は現地1日に伊東純也の離脱を発表したが、同日夜に「本日離脱しないことになりました」と訂正。ドーハで山本昌邦ナショナルチームダイレクターが囲み取材に応じたが、翌日2日、東京で田嶋幸三会長が取材に応じ、離脱する結論に至ったと説明した。

上写真=いったんは保留となったが、離脱が決まった伊東純也(写真◎Getty Images)

準々決勝のイラン戦は24人で臨む

 性加害に関する報道があった伊東純也について、JFAは1日・13時30分に同選手がチームを離脱すると発表した。「伊東選手本人の心身のコンディションを考慮した結果、伊東選手が本日付でチームを離れることを決定しました」というのが、その理由。しかし、そのおよそ6時間半後に「本日離脱しないことになりました」と当初の発表を訂正。同日夜22時には、代表宿舎で山本昌邦ナショナルチームダイレクターがこの件について取材に応じた。

「今回のアジアカップで優勝を目指すにあたって、どう戦うかという議論を深めました。その中で伊東純也選手の話にもなり、伊東選手とともに戦いたいという意見が多く出ました。そのうえで田嶋会長に相談し、伊東選手を残す方向で改めて調整するということになりました。今の、現状の報告になります。そんな中で双方の言い分がズレがあり、事実関係というところは双方が警察に相談している状況ですので、この事案に対するこちらからの発言は控えていきたいと考えております」

 選手から聞き取りをする中で、伊東とともに戦いたい声が多く、田嶋会長や協会幹部と協議のうえ、離脱はいったん撤回することとなったという。伊東とも話し、結論は先送りすることになった。

 だが、専門家を交えて行われた2日午前の協議を経て、田嶋会長が離脱という結論に至ったと説明した。

「現地で戦っているチームから連絡がありまして、選手たちの熱い思い、そういう中で継続して戦いたいという気持ちがあったとは聞いていますが、我々としてはしっかりとした情報を集め、議論をしたいということで昨晩は一時的に離脱について延期し、本日改めて検討いたしました。本日、専門家、弁護士の方、さまざまな方に入っていただき、ミーティングを行い、現在の状況を考えるとチームを取り巻く環境が騒がしい状況が続くことも想定されます。サッカーに集中できる環境をJFAとしてしっかりとつくる必要があるということで、伊東選手のコンディションを含めて考えたうえで、総合的に判断いたしました。今回、離脱のご案内した後、再検討をするなど二転三転したことをお詫び申し上げます。しっかりとチームが戦える環境を作るということで総合的に判断させてもらいました」

 伊東側、女性側、双方の意見の食い違いがある中、警察の対応を含め、状況を見て判断するとしていたJFAだが、当初のように、伊東の離脱が決定。2日付けてチームを離れることになった。

 伊東が離脱し、バーレーン戦で負傷した旗手怜央は検査の結果、右ふくらはぎの肉離れと判明。3日のイラン戦には出場できない。チームは24人(1人はベンチ外となる)で準々決勝に臨む。

取材◎佐藤景


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