上写真＝90＋15分に同点に追いつかれた韓国。ソン・フンミンも呆然とした表情をみせていた（写真◎Getty Images）
諦めなかったマレーシアの奮闘
この一戦を迎える前の時点で、グループＥは同じ勝ち点４ながら得失点で２ポイントの差があり、ヨルダンが首位、韓国は２位だった。首位通過を果たしたチームとグループＤの２位・日本はラウンド16で対戦することになる。そのため、同時刻で開催されたグループＥの２試合の結果が注目された。
アルジャヌーブ・スタジアムで行われた韓国対マレーシアは前半、格上の韓国がパスミスを連発。フィニッシュの精度も低く、５−４−１で構えるマレーシアをなかなか崩せない。それでも22分、左のＣＫの場面でイ・ガンインのキックをチョン・ウヨンが頭で押し込み、先制に成功。試合をそのまま押し気味に進めるかと思われた。
後半、マレーシアがアグレッシブにプレーして試合をひっくり返す。51分にアブドゥル・ハリム、62分にファサイル・ハナピがＰＫを決めた。その後、韓国は猛攻につぐ猛攻を見せたが、マレーシアも必死に守り、試合は終盤まで進んだ。アップセットへのカウントダウンが始まった83分、韓国は頼れるアタッカーがスコアを振り出しに戻す。ＦＫをイ・ガンインが直接沈め、２−２となった。そのまま試合は終わらず、さらに劇的なドラマが展開される。後半のアディショナルタイム、韓国がＰＫを獲得し、これをソン・フンミンが決めて韓国が土壇場で逆転に成功した（90＋4分／３−２）。
ただ、試合はここで終わらなかった。VARに費やした時間のぶん、大幅にアディショナルタイムが増えていたが、90＋15分のことだった。諦めないマレーシアの選手が前へ前へとボールを運び、最後はロメル・モラレスがゴールをねじ込んだ。今度はマレーシアが土壇場の土壇場で追いつく。試合はドラマチックな幕切れとなった（３−３）。
一方、ハリファ国際スタジアムで行われた一戦も一筋縄ではいかなかった。グループ首位に立ち、そのまま日程的にも優位な立場でラウンド16進出を果たしたかったヨルダンだったが、34分にバーレーンのＦＷアブドゥラ・ユスフ・ヘラルに決められ、先制を許す。その後もバーレーンの攻撃を受けて危ない場面を迎えたが、何とかしのいでいく。ヨルダンはボールを持つものの、デュエルで劣り、苦しい戦いを強いられた。試合はそのまま押し切られる形でヨルダンが敗戦。バーレーンが勝利をもぎ取った。
この結果、グループＥの順位は１位バーレーン、２位韓国、３位ヨルダン、４位マレーシアで確定。ラウンド16でグループＤ・２位の日本と対戦するのはバーレーンに決まった。
