日本代表は19日、アジアカップのグループステージ第2節・イラク戦に臨んだ。前節のベトナム戦から先発2人を入れ替えたが、開始早々に失点。前半終了間際にも同じ右サイドを破られて失点し、攻めても終盤に奪った1点にとどまり、1−2で敗戦。イラクサポーターの大歓声の中で厳しい戦いを強いられて、ラウンド16進出を決められなかった。

上写真=1-2で日本はイラクに力負けした(写真◎Getty Images)

■2024年1月19日 アジアカップ・GS2節(観衆38,663人@エデュケーション)
イラク 2−1 日本
得点:(イ)アイマン・フセイン2
   (日)遠藤航

狙われた日本の右サイド

 日本は初戦のベトナム戦で勝ちきったメンバーから2人を入れ替えてイラクとの試合に臨んだ。1トップは細谷真大から浅野拓磨に代わり、左サイドハーフはベトナム戦でトップ下を務めた南野拓実が担当。トップ下には久保建英が入った。

 少し意外だったのは、最終ライン構成だ。4バックがベトナム戦と同じ構成でスタート。ロングボールやロングスローを多用してくると予想される中、センターバックに、空中戦にめっぽう強い町田浩樹や状態が上がってきた冨安健洋ではなく、谷口彰悟をそのまま起用した。このあたりは前線からしっかりプレスではめて蹴らせない狙いだったか。

 しかし、日本は立ち上がりにいきなり失点してしまう。5分、イラクの右CBサード・ナティク・ナジから送られたサイドチェンジを長身FWアイマン・フサインが頭でフリック。左サイドバックのアハメド・セヒヤを経由して裏に飛び出す左サイドハーフのアリ・ジャシムへ。日本の右サイドから上がったクロスはGK鈴木彩艶がパンチで防ぐが、ボールを弾いた先にはアイマンが待っていた。頭でプッシュされ、先制を許した。

 相手にハマった日本は、その後は幅のある攻撃を展開。ポゼッションも高め、ゴールに迫るが決定機には至らない。迎えた前半のアディショナルタイム。日本はもっとも避けたかった2失点目を喫してしまう。破られたのはまたも日本の右サイドだった。

 相手のクリアボールが日本陣内でバウンド、菅原が収めようと落下地点の入ったが、ユセフ・アミンにブロックされ、アハメド・ヤヒヤに入れ替われる形で抜け出された。クロスを許し、最後は再び飛び込んだアイマンにヘディングを決められた。

 まさかの0−2で折り返した日本は、後半開始から冨安を谷口に替えて投入。同時に陣形を維持したまま、攻撃陣の配置に手を加える。伊東が左に周り、南野はトップ下、久保が中央から右サイドハーフへとスライドした。2点を追いかける形になった日本は左右から厚みのある攻撃を展開。左に回った伊東が積極的な仕掛けから何度もクロスを供給した。

 だが、ゴールをこじ開けることはできず。56分に伊東のグラウンダーのパスに反応した浅野がボックス内で倒され、一度はPKを獲得したかに見えたが、VARの結果、取り消された。直後の61分に日本は久保に代えて堂安、浅野に代えて上田を投入。フレッシュな選手を投入してスコアを動かしにかかった。

 一方でイラクも選手を交代させながら強度の維持に努め、日本の攻撃を封殺していたが、このまま試合が終わるかと思われた8分間のアディショナルタイム。日本がようやくネットを揺らす。左CKの場面で旗手が蹴った精度の高いボールを遠藤が頭で叩き込み、1点を返した。

 残り時間も日本は攻め続けたが、結局1−2で敗戦。場面場面で日本に不利と思えるようなジャッジがあったことは事実だが、内容で相手に上回られていたこともまた事実。サポーターも含め、打倒日本に一丸となって臨んできたイラクに力負けした。

 連勝で首位通過を目指していた日本は、この結果、ラウンド16に進むにしても2位が濃厚となった。試合間隔や相手国を考えても、待っているのは茨の道だ。より難しいルートをとってアジアの頂点を目指さなければならなくなった。

取材◎佐藤景

▼出場メンバー
・日本◎GK鈴木彩艶、DF菅原由勢、板倉滉、谷口彰悟(46分:冨安健洋)、伊藤洋輝、MF遠藤航、守田英正(74分:旗手怜央)、伊東純也(74分:前田大然)、久保建英(61分:堂安律)、南野拓実、FW浅野拓磨(61分:上田綺世)


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