日本時間14日(20時30分)、日本代表はアジアカップの初戦でベトナム代表と対戦するが、同国を率いるのがかつて日本代表の監督を務めたフィリップ・トルシエ氏だ。前日会見に登壇したトルシエ監督は、日本戦への意気込みを語った。

上写真=公式練習でスタッフと話し込むベトナム代表のトルシエ監督(写真◎AFC)

「自分たちの野心をこの試合で抑える必要はない」

日本代表はベトナム代表とここ最近の対戦で僅差の勝負を演じてきた。前回大会の準々決勝は1−0。カタールW杯のアジア最終予選ではアウェーで1−0、ホームで1−1。日本は負けていないが、難しい戦いを強いられた。

 しかも今大会、ベトナム代表を率いるのは、日本をよく知るあのフィリップ・トルシエ監督である。

「たしかに私は日本をよく知っている。個人的には日本はこのアジアカップを優勝できるチームの一つと思っている。まず第一に選手のクオリティーを見たとき、すべての選手がヨーロッパのビッグクラブでプレーしている。またここ最近の試合結果を見ても、どの試合も4、5点差をつけて勝っている。このチームがどれほど強いか、そのポテンシャルは誰もが分かっている。ベトナムの監督として、タフなゲームになることは十分承知している。われわれは100パーセントの力を出し切る必要があるだろう」

 日本の実力を認め、その上でこうも話した。

「だからといって、われわれは自分たちの野心をこの試合で抑える必要もない。私の経験からして、日本戦は第2次ラウンドに進むためのプロセスの一部であるからだ。
 いったい誰が、グループリーグで3連勝できるのか。日本と韓国を別にすれば——この2つは3つの対戦国すべてに勝利することが可能だが、他はどこも全勝は難しいだろう。それを考えれば、日本戦の結果がたとえネガティブでも、それでプロセスが終わったことにはならない。ベトナムがリーグ突破のために戦っていることは誰もが分かっている。また、大会のルールでは、3位の成績上位チームも次のラウンドに進める。4年前のベトナムがそうだった。(ロシアW杯の)日本はフェアプレールール(警告の枚数)で次のラウンドに進んだ。その可能性がわれわれにもある」

 ベトナムの目標は決勝トーナメント進出。グループ3位で上がることを視野に入れつつ、日本との初戦に臨む。もちろん、勝利への意欲をしっかり携えて。

「日本戦の準備は整っているし、サッカーの歴史を紐解いたときにさまざまなサプライズが起こっていることもよく分かっている。日本と10回戦ったら9回は負けるだろう。しかし1度は勝つことができる。その勝利が明日になるかもしれない。それは誰も否定できないことだ」

 トルシエ監督が率いるベトナム代表は、本気でその1回をつかみにくるだろう。日本代表は胆大心小を肝に銘じて試合に臨む必要がありそうだ。


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