上写真=11日の練習は別メニューだった冨安健洋だが状態は上向きだ(写真は23年9月◎Getty Images)
5年間の間に個人個人がいろいろ経験している
冨安は前回大会の決勝で吉田麻也とセンターバックコンビを組んで出場した。しかし、つかみかけたトロフィーはスルリとその手から落ちた。相手のカタールにペースを握られ、1−3で完敗。今大会はその悔しさを晴らす舞台でもある。
だが、「5年の間にも僕ら個人個人でいろいろ経験してきていますし、前回大会決勝で負けたっていうのも踏まえてではありますけど、ワールドカップだったり、いろいろそこだけじゃない部分はあるかなと思いますね」と、雪辱の意思よりも自信を口にした。今の日本が目指すのは、さらなる高みということだ。
「圧倒して勝つというところだとか、アジアの中で日本が一番だっていうところを示さないといけないし、そこは優勝っていう形でしか表現できないとは思っています。森保さんも『優勝しないと評価されない国だよ、僕たちは』と言っているので、優勝を目指してやりたい」
今大会、冨安はこれまでの16番ではなく、22番の背番号をつける。中澤佑二や吉田麻也ら日本代表を支えてきたセンターバックが背負った番号だ。
「日本代表のセンターバックは22番というものが麻也さんのところで印象はついたと思うので、それを引き継ぐというか、そこに責任感も生まれてきますし、リーダーシップも発揮しながらやっていきたいなとは思っています」
引き継ぐのはもちろん、吉田が担ってきたチームを牽引する役割やリーダーシップの部分だ。22番をつけるにあたって、吉田にも連絡したという。「麻也さんに『22番引き継ぎます』という感じで連絡したら、『なんやそれ』と言われたんで(笑)、そんなにたぶん大きな意味合いはなかったのかなっていうか。僕にとってもそんな大きなことではないというか、大事にしなくてもいいんですけど。麻也さんもたぶんそう思っているでしょうし。好きに書いてもらう分にはいいですけど、僕の中ではそんなに、ただ背番号を変えたっていうだけですかね」と、そのやり取りを明かした。
日常から世界のトップ基準で戦っている存在として代表に還元できることも多いはず。森保一監督もその部分で冨安には大いに期待していると、これまで何度も語っていた。そして冨安自身も、その自覚を持つ。
11日の練習は別メニューで、現在は負傷した足首の状態を見ながらコンディションを上げている段階だが、「全体的には特に問題はないですし、今日はスプリントもやって、昨日と比べても、徐々に上がってきているという感覚は自分の中でもあります」と現状に手応えを得ている様子。
今大会は最終ライン中央で強烈な存在感を放つ22番を、何度も目にすることになりそうだ。