日本代表の久保建英が11日、カタール入り後、初めて全体練習に参加した。冒頭の数セッションのみメディアに公開されたが、久保はすべてのトレーニングメニューをこなしたようで本人も「順調に仕上がっていると思います」と話した。

上写真=代表合流後、初めて全体練習に参加した久保建英(写真◎佐藤景)

「今の現状はウェルカムです」

 負傷を抱え、別メニューをこなしていた久保建英がドーハ入り後、初めて全体練習に参加した。

「いい感じです」

 すでに負傷箇所(左太ももなど)に痛みはなく、本人はやる気満々だったが、スタッフに「無理するところじゃない」と言われ、慎重に調整を続けてきた。昨年12月21日のカディス戦で、DFルベン・アルカラスの悪質なファウルを受け、肋骨の状態が心配されたが、「(ヒビが入っていた?)わからないですね、痛いときもあるので、もしかしたら。でも検査するのが嫌だったんで。せっかくのオフもあったんで、しなかったんですけど」と現在の状態を説明。問題はないようだ。

 今大会、日本代表は優勝の最右翼とされ、他国の多くのメディアの間でも最も注目する国となっている。とりわけラ・リーガで活躍する久保は名が知られた存在だ。そんな状況について久保は言う。

「世界に注目される選手になりたいと思ってサッカーをやっているので、今の現状は自分からしたらウェルカムだと思いますし、自分の未来予想図からしたら、やっとスタートラインぐらいです。ここでいい感じにまた注目度を上げて、チームに戻りたいなと思います」

 所属するソシエダはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントに進んだ。その原動力となった一人が久保だ。アジアカップの決勝まで日本が進めば、ソシエダの試合を7試合欠場することになる。後ろ髪を引かれる思いでカタール入りしたのでは? と質問されると、率直な思いを口にした。

「後ろ髪どころじゃないすけどね、それは。でもしょうがないものはしょうがないんで、チームメイトを信じています。実際にカップ戦も勝ちましたし(コパ・デルレイのマラガ戦)、あとは13日もダービーあるんで(ビルバオ戦)、ちょっと時間帯的には遅くなりますけど、見られたらしっかりと見たい。チームを気にしないわけはないんで。もちろん自分は自分のやれることを今はやるべきだと思うし、別に僕ひとり抜けたからってそんなに落ちるチームじゃないし。一昨年まで実際、僕はいなかったわけで、全然、チームメイトの心配はしていないです」

 今、目指すのはアジアを制覇してチームに戻り、CLのラウンド16に臨むこと。

「僕にとって幸いだったのは、チャンピオンズリーグと(日程が)かぶってなかったことですね。かぶっていたらさすがにちょっと『いやー』と思っていましたけど。(2月10日のアジアカップ)決勝まで行っても、すでに(飛行機の)便も調べているんですが、次の日の朝の便で帰れば、2日、3日練習ができる。むしろ(2月)11日にチーム(=ソシエダ)は試合があるので、逆算したらその人たちよりもコンディションよくやれるのかなと思ったりもしてますね」

 アジアカップの決勝では宿敵・韓国と対戦する可能性がある。仮にそうなれば、親友であるイ・ガンインとの対戦が実現する。そしてその親友はCLのラウンド16で対戦するパリ・サンジェルマンの選手でもある。

「アジアカップの決勝で(韓国と)やって日本が勝ったら、(パリSGとの)ファーストレグは引きわけでもいいかなと。ファーストレグぐらいは譲ってもいいかなと思います(笑)」

 久保はプロになってまだタイトルを手にしていない。だからこそ今大会で「優勝したい」という。アジア制覇、そしてソシエダに戻ってCLのラウンド16へーー。親友イ・ガンインとアジアの頂点をかけて対戦し、舞台を変えて欧州最高峰を争う場で再会したら、これ以上ないドラマだろう。

取材◎佐藤景


This article is a sponsored article by
''.