上写真=遠藤航は14日にチームに合流。初戦まで準備期間は短いものの、準備は整っている様子だった(写真◎毛受亮介)
しっかり守備することも主体的にゲームを進めること
「自分たちがボールを持つ=主体的だとは思っていない。ワールドカップで言ったらクロアチアやモロッコだったり、しっかり守備することも自分たちが主体的にやってゲームを進めることになるんで」
遠藤航が前日練習後の取材でこう指摘した。
カタール・ワールドカップ以降、日本代表はボール保持率を上げるべきとの考えが広まった。実際、ドイツやスペイン相手に保持率が低く、押し込まれる時間が長くなった。それゆえに次の段階へ進む課題として、保持率の向上を目指すことになった。
ただし、それ自体が唯一の目的ではない。まして主体的に戦うことは、ボールを持って戦うこととそのままイコールで結ばれるものでもない。
「ブロックを敷くことも別に問題ないと自分たちが思ってやっているというか。それがゲームプランの範囲内でやっているのであれば、それは主体的だと言えると個人的には思うので。自分たちがどの試合でも守備ブロックで敷いて守ろうという話は別にしてないし、状況においてはブロックを敷く時間もあれば、ドイツ戦の後半みたいに5枚にして、自分たちから主体的にアクションを起こして、ブロックを敷くゲーム展開を作ってカウンターで仕留めたっていうこともある。前半は4枚で前にどういけるか、プレスのかけ方も、自分たりが主体的にアクションを起こしたと思うので」
主体的に戦うという言葉には、守備面の要素も含まれる。
「そういう意味での主体性であって。自分としてはそれが一つではないというか。(チームがテーマとしている主体的と臨機応変さは)反する言葉を使っているように思えるけど、自分の中ではすごくマッチしている」
遠藤は9月のドイツ戦について言及していたが、あの試合の5バック形成については森保監督も受け身の意味からではなく、相手が前線に5人を並べる形にしたことに対応し、日本もマークをはっきりとさせて5人の選手を並べ、1対1の状況を作って選手の責任で個の勝負でまさっていくことを考えたと話している。そこにあるのは、相手をいかにして上回っていくかという考えだ。
W杯予選に臨むにあたっても姿勢は同じ。目の前の相手をどう上回っていくかが重要で、いかに最適な戦い方を選択できるかがカギになる。
「あえて自分たちがブロックを敷く展開を作るべきとは思わないので、自分たちからどういうゲームプランで進めていくかが大事だと思うし、どっちかというと、今までの親善試合でやってきた積み上げを2次予選でも継続して、やっていけるようにしたい」
ミャンマー戦から始まる北中米ワールドカップへの道。遠藤は気負わず、チームの力をしっかり出し切ることに集中していた。