9月9日の国際親善試合で日本が4ゴールを集めてドイツを破った。カタール・ワールドカップに続き、世界の強豪に連勝する充実の90分で、決勝ゴールとなる2点目を挙げたのが上田綺世。「準備」のおかげだと胸を張った。
上写真＝見事に決勝ゴールを決めた上田綺世。ゴール前で即座に反応した（写真◎Getty Images）
■2023年9月9日 国際親善試合（@フォルクスワーゲン・アレナ/観衆24,980人）
ドイツ 1-4 日本
得点：（ド）レロイ・サネ
（日）伊東純也、上田綺世、浅野拓磨、田中碧
「常に準備していたから取れたゴール」
「自分の中では、これまでとは違うパフォーマンスを出せました。初めて自分の中で代表に貢献できたと思います……多少は」
決勝ゴールを挙げたヒーローは、そうやって、照れ隠しのようにはにかんで振り返った。伊東純也が先制しながら追いつかれ、1-1で迎えた22分。右サイドを崩して菅原由勢が中央へ折り返し、伊東のシュートは中に流れたが、これに反応したのが上田綺世だ。左足をボールに当ててゴール右に送り込み、再び勝ち越した。
「跳ね返りを詰めた形でしたけど、常に準備していたから取れたゴールだと思います」
この言葉に上田の真骨頂が表れている。ビルドアップでは巧みなポジション取りで最前線でボールを引き出し、仲間の攻め上がりの時間とスペースを生み、展開してから、ボックス内に入ってフィニッシュ役を担う。「準備」こそ上田の代名詞だ。
58分にピッチをあとにしたのはやや違和感を覚えたからだということだが、最終的にあのドイツに4-1という圧勝を収めたものの、上田自身はやや不完全燃焼。
「もう二つ、決めなければいけないチャンスがあって、そこは課題として残りました」
41分、中盤で相手ボールを奪ってそのまま一人旅、GKテア・シュテーゲンと1対1の場面を迎えるが、シュートは弾かれた。後半開始早々の48分にも、伊東からのパスをゴールやや左から狙ったが、トラップが大きくなってテア・シュテーゲンに詰められた。
それでも、日本代表として自身2ゴール目と、立て続けに見せた充実のプレーで、堂々とエースへと名乗りを上げた。
