日本代表の堂安律が現地6日、練習後に取材に応じた。前回の対戦でゴールをスコアしており、勝利の立役者となった堂安は、ドイツメディアも注目する日本人選手の一人。3日後に迫った『再戦』に向けて、ポイントと日本が目指すべきところについて語った。

上写真=ドイツ戦に向けてトレーニングする堂安律(写真◎佐藤景)

3月での反省を6月に生かして、かなりいいものになった

 ドイツとの再戦、となれば当然、前回の対戦でゴールをスコアした選手が注目される。つまりはそれは浅野拓磨であり、堂安律である。

 そんな立場にあることを理解した上で堂安は言う。「すごい個人的に楽しみです。向こうはかなり焦りやプレッシャーがある中でおそらく戦ってくるので、特に立ち上がりの5分、10分で押されてしまうっていうのは非常にやり返すのが難しい展開になるかなと思う。そこで五分五分でやり合えるような立ち上がり、入り方できれば、かなりいい試合になるんじゃないかなと思います」。再戦のポイントを『立ち上がり』、そして『球際』に置いていた。

「やっぱり球際のところで多分、彼らは圧で押し込んでくると思うし、彼らも勝てていないので、それプラス、対日本ってことで、かなり球際は来るんじゃないかと思います」

 前提として、そこで劣勢になってしまうと、カタールW杯における対戦時の前半と同様に苦しい展開になる。とはいえ、ドイツ相手にボールを握り倒して勝利をつかみ取るのは現実的ではない。重要なのは日本の特徴と地力を踏まえて、勝利のためにどう振る舞うか。堂安は一貫してそのことに言及してきた。

「3月での反省を6月に生かして、かなりいいものになったと思うし、毎回僕、言っていますけど、ずっとボールをキーパーから回して得点を取るなんて、マンチェスター・シティでもね、現代サッカーではあるかないか。もちろんそれも踏まえた上で、練習するのは大事ですけど、ワールドカップで自分たちが何が通用したかっていうのは忘れちゃいけないと思います。ポゼッション率を少し、5パー、6パー上げていくのは必要ですけど、一番点の取りやすいシンプルなやり方は忘れちゃいけない。自分たちがボールを奪った後、前につけるとか、そういうのを忘れちゃいけないと思います」

 カタールW杯以降、ともすれば、日本の目指すべき戦い方がボール支配率を向上させることであり、ボールを握るスタイルへ大きく舵を切ることとされがちだ。それこそが正解として語られるケースもある。だが、ボール奪取後にシンプルに前方へボールを動かし、攻め切れるのであれば、攻め切る。要は状況に応じた選択が重要ということ。

 相手のプレッシャーをいかに剥がして前進するか。そして相手に構えられ、日本がボールを握る展開になった際にいかにゴールをこじ開けるか。カタールW杯で出たそれらの課題を踏まえ、状況に応じて優先順位を考えつつ戦えるチームになることが今、森保ジャパンが目指すところ。それは堂安が言い続けてきたこととも一致しているように映る。

 堂安の中ではやるべきこと、目指すべき場所が整理されている。今回のドイツ戦も、そこに向かう過程の一つ。チームとして個人として狙いを試合の臨み、収穫とともに課題を得て、その後の成長につなげることが何より重要になる。


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