3月28日に行われたキリンチャレンジカップのコロンビア戦で、バングーナガンデ佳史扶(カシーフ)が日本代表デビューを果たした。先発メンバーの一員としてピッチに飛び出すと、左サイドバックとして攻守に持ち味を発揮しようと奮闘した。本人は納得していないが、今後が楽しみなデビューになった。

上写真=バングーナガンデ佳史扶がうれしいデビュー。三笘薫とともに左サイドの攻撃を構築した(写真◎Getty Images)

■2023年3月28日 キリンチャレンジカップ(観衆20,005人/@ヨドコウ桜スタジアム)
日本 1-2 コロンビア
得点:(日)三笘薫
   (コ)ジョン・ハデル・ドゥラン、ラファエル・サントス・ボレ

「もっと強くなって」

 バングーナガンデ佳史扶の日本代表デビューは「全然、まだまだ」だった。

 今季、FC東京で左サイドバックとしてJ1リーグ5試合すべてに先発出場。日本代表を長く支えてきた長友佑都らとのポジション争いを勝ち抜いて、ピッチで躍動してきた。それが森保一監督の目に止まり、初めて日本代表のメンバーに選出された。

 すると、与えられた背番号は「5」。カタール・ワールドカップで長友が身につけて勇躍してきた記憶はまだ鮮烈だ。だから、長友の魂を継承するような物語にできるかどうかを、ピッチで示す必要があった。

 ウルグアイ戦では出番がなかったが、3月28日の第2戦コロンビア戦で左サイドバックとして先発出場。接触プレーで足を痛めて無念の交代となったが、59分まで持ち味を見せながらピッチを駆けた。

 だが、本人にとっては「全然、まだまだ」なのである。

「前半から前に押し込んだところで、なかなか自分のプレーで魅力を発揮できなかったのがすごく悔しいですし、なんと言っても勝てなかったことが一番悔しいです」

 左サイドではいまをときめく三笘薫と縦関係を築き、その連係にも注目が集まった。三笘は「彼の特徴を生かそうと、なるべく高い位置を取ってもらおうと指示を出していましたし、関係性は良かったと思います」と及第点を与えた。

 三笘の立ち位置を見ながら近づいたり離れたり、幅を取ったり内側から追い越したりと、局面ごとに適度な関係を保ちながらプレーした。守っても序盤からシュートブロックに入ってしっかり跳ね返すなど、フィジカル面でも堂々と渡り合った。

 それでもやはり、100パーセントの力を発揮したデビューにはならなかった、という自省がある。

「いま肌で感じた強度をチームに持って帰って、もっと強くなって、次に選ばれたときにはしっかり結果を出せるように、いまから準備していきたい」

 かつてFC東京でともにプレーした久保建英は59分にピッチに入ったから、ちょうど入れ違い。レフティー同士のコンビを披露したかったが、かなわなかった。それでも確かに「最初の一歩」を踏み出した喜びもある。新世代の旗手として走り続けるためにも、もう先を見据えていた。


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