上写真=コスタリカ戦で初出場した山根視来。次も出番がありそう(写真◎Getty Images)
いいリカバーをして次につなげたい
「うれしさがありましたけど、今日の相手は自分の特徴を出しやすい相手ではあったので、もうちょっと自分のところから何かを起こせればよかった」
この日、右サイドバックとして大会初出場を飾った山根は苦い思いとともにW杯を体感した。0-1でコスタリカに敗戦。日本はボールを握ったものの攻めあぐね、ミスから失点して敗れた。
「5枚でブロックを作って来られると、単純な攻撃よりは複数人が絡んで目線をどんどん変えていく攻撃が(有効)。後半は少し増えて得点の匂いがするシーンが増えましたけど、90分間やれたら」
日本は前半途中から3バックに変更。山根の右サイドバックから右ウイングバックへとポジションが変わった。何度か攻め上がったものの、時間の経過ととともにその回数は減っていった。後半途中には鎌田大地から「もっと上がって来い」と要求される場面もあった。後ろで余っていては攻めの形が作れないからだ。
5ー4の2ラインでブロックを組み上げるコスタリカの守備は堅く、なかなか崩れなかった。山根にはいくつかのイメージがあり、そのイメージを何度かピッチで表現したが、「(相手は)入ってきたところにしっかりガツッとくるところはありましたけど、逆にそれを利用してワンタッチでフリックとか斜めを使っていくところはできていたシーンもありました。そこは本当に際のところだと思いますが、相手が集中していた」と、得点に結びつけることはできなかった。
コスタリカ戦に敗れた日本は、ドイツ戦の勝利から一転、優位な立場ではなくなった。ドイツ対スペインが引き分けに終わり、日本が属するグループEは4チームすべてにラウンド16進出の可能性がある。数字上は引き分けでも勝ち抜けの可能性が残るが、自力で突破するには第3戦のスペインに勝たなければならない。
「勝ち点を失ってしまったので。でも終わりではないですし、もう1試合ある。そこに向けて切り替えてやっていこうと思います」
酒井宏樹が負傷により次戦も欠場濃厚で、スペイン戦でも山根に出番はありそうだ。
「今日は負けましたけど、まだ全然、自分たちで突破していく可能性がある。いいリカバーをして次につなげたい」
取材◎佐藤 景