初戦でドイツ代表を下した日本代表は日本時間27日の19時から、グループステージ第2戦でコスタリカと対戦する。あの激闘から中3日で迎える試合であり、ある程度メンバーを変更しそうだ。コスタリカ戦に臨む日本代表の布陣を予想した。

上写真=疲労も考慮し、ドイツ戦から複数のメンバーを入れ替えてコスタリカ戦に臨むと予想

攻撃陣は東京五輪組+南野のセットか?

『勝ったらチームをいじらない』のは、1つのセオリーだが、今大会は中3日。選手の疲労を考慮する必要がある。大会に向けたテストとなった9月の欧州遠征ではアメリカ戦、続けて中3日で戦ったエクアドル戦において、森保一監督は大幅にメンバーを変えた。

 それはドイツ戦から中3日でコスタリカ戦を戦うためのテストであった。結果に関わらず、強度の高い、つまり消耗の大きいドイツ戦に続く試合をいかに乗り越えるか。今大会でベスト8入りを目指すチームにとっては極めて重要なテーマだ。

 昨夏の東京五輪は中2日のハードスケジュールながら、遠藤航や田中碧、吉田麻也らを起用し続けて勝ち進むたびに疲労をため込み、決勝トーナメントで力を出し切れなかった面がある。その反省を踏まえて、指揮官はチームづくりの過程で2チーム分の戦力を整えてきた。

 その一方で前述のエクアドル戦は内容は振るわず、0-0に終わった。大きくメンバーを変えることのデメリットを知ることにもなった。これらの理由から疲労を考慮しつつ、しっかり勝利を手にするためのメンバー構成を考えてコスタリカ戦に臨むのではないか。チームの軸である選手を何人か残しながら、メンバーを変えるという方法だ。

 これらの前提を踏まえた上でコスタリカ戦の予想してみたい。フォーメーションは4-2-3-1を採用。最後尾に入るGKは権田修一だ。ドイツ戦のマン・オブ・ザ・マッチが引き続き、ゴールマウスを守る。

 DFは右から山根視来、吉田麻也、板倉滉、伊藤洋輝。ドイツ戦で左太ももの裏を負傷し、病院に行った酒井宏樹は欠場する模様で、右サイドバックは山根が務めそうだ。左サイドバックはドイツ戦に先発した長友佑都ではなく、伊藤を起用すると読む。長友はスペイン戦へ温存するのではないか。あるいは山根に代わって途中で右サイドバックを務めるケースもあるかもしれない。

 CBコンビは良い流れを継続するべく吉田&板倉が務めると予想した。板倉は試合2日前の取材時に疲労について「全然問題ない」と語っており、むしろケガからの復帰後、初めて90分プレーしてコンディションはいいと話していた。吉田はW杯で初戦勝利を手にしたチームが気を緩めないためにピッチに必要な存在と考えた。連戦は体力的に厳しくとも、やはり連勝を狙う上で欠かせない選手だろう。

 冨安健洋は足に違和感があるため、ドイツ戦翌日はホテル静養し、25日、26日の練習も別メニュー。コスタリカ戦での起用はなさそうだ。「正直、ドイツ戦もピッチに入ってすぐに違和感があった中でやっていたので、まあでもちゃんと検査してそんなに悪くなかったですし。あとは感覚のところだけなので、全然問題ないと思っています」と現在の状況を説明してもいる。

 CBに谷口彰悟を起用する可能性ももちろんある。最終予選のホームの中国戦やサウジアラビア戦でコンビを組んだ谷口&板倉のセットもあり得るが、W杯初出場となる谷口を起用するならその横には経験豊富な選手を置きたいところ。理想は60分までにリードを奪って吉田から谷口につなぐ形か。コスタリカ相手にリードを奪い、左サイドバックに途中から長友が入って伊藤がCBにポジションを変え、板倉を交代で下げる手もあるだろう。

 中盤で2ボランチを構成するのは遠藤航と、負傷の癒えた守田英正とみる。遠藤はドイツ戦にフル出場しており、ベンチスタートとも考えられるが、吉田と同じ理由でチームの核として先発させ、試合の流れ次第で早めにベンチに下げる想定ではないか。一方の守田はドイツ戦に出られなかった悔しさを口にしており、コンディションの回復とともにその思いをピッチでぶつける。

 2列目には右から堂安律、南野拓実、相馬勇紀が並び、1トップは上田綺世が入ると予想した。ドイツ戦で3つのポジションをこなし、フル稼働だった伊東純也は今回は休養、鎌田も同じ理由でベンチだろう。左は運動量豊富で1対1を仕掛けられる相馬が担当。そしてトップには上田。浅野や前田は途中からか、あるいは今回は休ませて、スペイン戦に備えると思われる。

 指揮官は前日会見で次のように語っている。

「コスタリカは非常に身体能力の高い選手も多いですし、組織としてもタフに戦えるチーム。これまでのスカウティングで、非常に力のあるチームだと思っています。ワールドカップ初戦では0-7で大敗しましたが、だからこそコスタリカがわれわれとの戦いにかけてくる。敗戦の後のリバウンドメンタリティで、非常に強い気持ちを持って、われわれに対して戦いを挑んでくると思います。まず自分たちがやるべきことをしっかりやることと、コスタリカが非常にこの試合にかけてくることを覚悟して試合に臨まなければいけない。。われわれにとっても非常に重要な第2戦ですので、コスタリカがどういう戦いを仕掛けてくるかまだまだわかりませんが、彼らが勝ちにくるという部分、前から来ても、これまで通りしっかり守備を固めて戦いを挑んできたにしても、状況に対応して、最終的に試合をものにできればと思っています。
 選手起用については、まずは明日のベストということで考えています。1試合目の疲労等々を考慮しながら明日のメンバーを決めていきたいと思います」

 コスタリカ戦は現地13時キックオフで、グループEのもう1試合、ドイツ対スペインは22時にキックオフ。日本は勝利を収めても、その時点でグループステージ突破は決まらない。仮に日本が勝利、続く試合でドイツ対スペインでスペインが勝つか、引き分けた場合、最終節を待たずに日本の突破が決まる。そしてスペインが敗れた場合、最終節でドイツがコスタリカに勝つと、2勝。同じく最終節の日本がスペインに敗れると、2勝で3チームが並ぶことになる。そうなれば得失点差の勝負。コスタリカ戦で7-0という結果を残したスペインが優位だ。

 最終節で選手をローテーションして戦うことが一番の理想。ドイツ対スペイン戦の結果次第だが、決勝トーナメントの戦いも見据えて選手をしっかり休ませたい。そのためにはコスタリカ戦の勝利は絶対だ。勝ちにいきつつ、選手の疲労も考慮する絶妙なバランスを見いだせるかどうかが、コスタリカ戦のポイントだろう。

取材◎佐藤 景


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