上写真=W杯を全力で楽しみたいと語ったシュミット・ダニエル(写真◎Getty Images)
とにかく自分が良い状態で初戦を迎える
カタールW杯本番で日本のゴールマウスに立つのは誰なのかーー。議論百出のテーマだろう。予選を通じて抜群の安定感を示した権田修一か。それとも予選終了後、とりわけ9月のドイツ遠征で好パフォーマンスを披露したシュミット・ダニエルか。
前日にカタール入りし、リカバリーメニューを消化したシュミットが練習後に取材に応じた。
「あまりそこは考えてなくて。とにかく自分が良い状態で初戦を迎えるというか、それが一番大事だと思っていて、その上であとは監督が決めること。出るなら出るでしっかりやりたいし、出れないにしても、ちゃんとチームをサポートしたいし、しなきゃいけない。どっちに転んでもすごい責任を伴う。出ないにしても。そういう部分も含めて、それも楽しめたらいいかなと思います」
正GK争いよりもフォアザチーム。与えられた立場の中で勝利に貢献することを誓う。むろん、自信がないわけでも遠慮しているわけでもない。「(所属)チームでもいいパフォーマンスで今シーズン戦って来れているので、そこの調子の良さというか、そういう部分は自分でも感じています」と語り、ピッチに立つ準備が整っているとも話した。
「出番が来たら、もちろんプレッシャーあると思うけど、せっかくなら楽しんだほうがいいと思うし、そういうふうに持っていけるようにしたいと思っています」
「僕は、とにかくワクワクしています。まずワールドカップに来れたということが、いちサッカー少年的な気持ちとしてすごい嬉しい。なので、そこを全力で楽しみたい。いろんな方々から、まず楽しんでと言ってもらえたので。本当にそれが大事だなって。雰囲気とかも含めて楽しみたい」
気負いは一切ない。覚悟を持って、楽しむつもりと繰り返した。シント=トロイデンのチームメイト、香川真司や岡崎慎司らW杯経験者からも激励の言葉を受け取っている。
「『本当、人生を変える大会になると思うから頑張って』というふうに言ってもらえたし、『同じ所属チームとして、選手として、マジで応援しているから』とそういうふうに言っていただきました」
強豪ぞろいのグループEの戦いは、これまで以上に守る時間が長くなるかもしれない。当然、勝ち点を手にするにはGKの働きが欠かせないだろう。
「チームが勝つためにできることをする。それだけだと思います」
シュミットは同じポジションのライバルとの争いよりも、グループEで突破を争うライバル国との戦いにフォーカスした。
取材◎佐藤 景