上写真=水沼宏太は代表デビューの香港戦であと一歩までゴールに迫った。韓国戦で優勝を決めるゴールを狙う(写真◎小山真司)
「毎日ワクワクして」
7月27日、E-1選手権の最終戦となる日韓戦は、水沼宏太にとって「新しい発見があった」毎日の「集大成になる」ゲームだ。
自らの初めての代表は、いわば即席チーム。でも「ギクシャクしたところはない」と香港戦、中国戦への準備と試合でチームとしてしっかり機能していることを強調する。
「それぞれの特徴はJリーグで戦ってわかっていましたが、実際に一緒にやってみて、こういうところもあるのか、と新しい発見もありました。この3戦目は短期間で作ったチームの集大成になるので、僕は生かし生かされながらやっていければと思って、毎日ワクワクしてできています」
香港戦では先発で出場して代表デビュー、中国戦はベンチから仲間の戦いを見つめた。その香港戦では64分までプレーして、何度もゴールを生み出している。
まず22分のチーム3点目は、即時奪回の姿勢がゴールのきっかけになった。右サイドで奪われたボールをすぐに切り替えてスライディング、ルーズボールにして相馬勇紀が拾って最後は西村拓真が蹴り込んでいる。
55分のチーム5点目も右で受けてからインサイドに入った山根視来へ的確なパスを送って潜り込ませ、センタリングを相馬がバックヒールで流し込むゴールにつなげている。57分の締めの6点目もその右足がきっかけだ。山根からのパスを右の外側で受けてニアにシュート性の高速クロス、西村が突っ込んでGKがこぼしたところを町野修斗がプッシュした。
こうなると、「代表初ゴール」が見たくなる。香港戦ではもう少しでゴール、のシーンが2つあった。26分に右からカットインして左足で強烈なシュート、33分にも町野のフリックから右を割って最後は右足で狙った。どちらもGKのセーブにあったものの、磨きをかけてきたキックの正確性とパワーを日本代表のピッチでも披露した。
日本代表で活躍した父・貴史さんの代表初ゴールは、1984年9月30日の日韓定期戦でのことだった。1-1で迎えた50分の決勝ゴール。自身も決めれば、親子で日韓戦が代表初ゴールという奇遇になる。
「父も国を背負って戦ってきてゴールを挙げて、息子としてすごいなと思います。自分は自分で戦っていますが、そのめぐり合わせに自分でも結果を残したい」
日韓戦は「いつもバチバチやっているな、と思って」見ていたというが、「日の丸を背負って戦えるのは本当に幸せ」と改めて感じたいま、その場に立ちたい思いはさらに強まった。
「韓国は国内クラブの選手が多くて、お互いを知り尽くしているチームだと感じます。フィジカルは強いけれど、それだけに頼るサッカーではなくなっていて、連係が仕上がっていると思います。それを上回るプレーを見せないと。僕自身はACLで全北とやって、そのときの選手も何人かいるので、経験も生かせるし楽しみにしています」
韓国は勝ち点6、日本は4。勝たなければ優勝できない。勝利のポイントは?
「最後は気持ちが大事だと思います」