2日のパラグアイ戦、6日のブラジル戦で途中出場した前田大然は爆発的なスピードが魅力のFWだ。現在の代表チームには他のスピード豊かなアタッカーがいるが、その中でもスプリントの数やタフさが際立つ存在だ。6月シリーズの残り2試合で、その特長をさらにはっきりと示し、結果もつかみたい。
上写真=ブラジル戦は67分からピッチに登場した前田大然(写真◎Getty Images)
チャンスで生かせればと思う
パラグアイ戦は後半のスタートから、ブラジル戦は67分から前田は出場を果たした。とりわけパラグアイ戦ではチャンスに絡んだ。それでもゴールにつなげられず本人は「悔しい思いしか残っていない」と振り返る。好機が訪れる場所にいたことは事実でも、決めなければならなかったとの思いは強い。
長らく日本のFWには大迫勇也が君臨してきたが、今回の活動では不在。FWとして自身の特長を示し、本大会でメンバー入りを果たすための格好アピールでもある。「残り2試合、チャンスがあるか分からないですが、生かせればと思う」と話し、結果を出すことにフォーカスしていた。
前田の特長と言えば、その圧倒的なスピードだ。時に相手守備陣に鋭いアプローチでプレッシャーをかけて、チームのボール奪取に貢献し、カウンターを成立させる。実際、パラグアイ戦ではその点の貢献度が高かった。一方で、ブラジル戦では前田のプレスが空転するケースも見られた。本人も「守備で流れをつくるタイプですが、前でも(ボールを)取れませんでした。自分の形に持って来れなかった」と振り返る。自分のスピードを生かして的に向かっていく前に、ボールを動かされた。
チームは今日10日にガーナ戦、14日にチリ/チュニジア戦を迎える。実戦でアピールできるのは180分間ということになる。ガーナ戦について、森保一監督はブラジル戦とは異なるスタメンで臨むと明言しているが、先発にせよ、途中からにせよ、おそらく今回も前田に出番を訪れるだろう。こと守備面に関しては、古橋亨梧や浅野拓磨といったスピードのあるFW陣とはまた違った鋭さが前田にはある。スプリント数や二度追い、三度追いできるタフさも、その魅力。残り2試合で、異なる特長をしっかり示し、目に見える結果も残したいところだ。