日本代表DF吉田麻也が、カタール・ワールドカップ(W杯)に向けた準備についてコメントした。活動が始まった今回の6月シリーズと、9月の活動で進めていきたいことや、自身の去就などについて語っている。

上写真=イタリアでのシーズンを終えて代表活動をスタートさせている吉田(写真◎山口高明)

「自分の価値を示さなければいけない」

 5月30日に活動を開始した日本代表は、6月2日に札幌ドームで行なわれるパラグアイ戦に向けて現地入り。イタリアでのシーズンを終えて帰国後、ハードな練習をこなしてきたという吉田は「ここから(練習の強度を)落としながら、戦術面を落とし込むと同時にブラッシュアップしていって、パラグアイ戦に良い状態で挑みたい」と意気込みを語った。

 6月6日のブラジル戦、10日と14日のキリンカップと合わせた今回の6月シリーズ4試合は、カタールW杯に向けて海外組と国内組がそろって活動できる貴重な機会だ。残りの同様の活動は9月のインターナショナルマッチデーのみで、11月のカタールW杯を迎えることになる。

 チーム状態を「もちろん、仕上げられるだけ仕上げたい」と強調したキャプテンは、対戦相手が決まった上で行なわれる今後の活動を、より具体的なものにしたい考えを示した。ドイツ、スペインと戦うグループステージに向けて「どういうふうに自分たちが戦っていくか、もう一度再確認して。現実的に、どうやって守備的にならなければいけないのかの見定めが、非常に大事になってくる」とイメージし、「その中で自分たちがやれること、やらなければいけないことを判断していくこと」の重要性を指摘した。

 過去のクラブでの戦いも参考になる。VVVフェンロ(オランダ)、サウサンプトン(イングランド)、サンプドリア(イタリア)でプレーしてきた吉田は、各リーグのビッグクラブとの戦いを何度も経験してきた。日本がドイツやスペインと戦うのは、同様の構図と言える。

「間違いなく言えるのは、しっかりとしたプランを持たずに戦うと、本当に大変なことになる」というのが吉田の持論だ。「(マンチェスター・)シティ、リバプール、ユーべ(ユベントス)、そういうチームに対して、あまり対策せずに戦う監督がいましたが、そうなると4点、5点たたき込まれる、というのが僕の肌感覚」と続け、「しっかりしたプランと決まり事、道しるべがないと苦しくなると感じている。もうスタッフとも話しましたけど、そこが大事」と表情を引き締めた。

 チームづくりと並行してW杯のメンバー入りへの争いも大詰めとなり、吉田も「選手間の競争という意味でも、ここが最後のアピールの場になるんじゃないかと思う。僕もそうですけど、ピッチの上で自分を表現して、アピールして、最終メンバーに残る。そこは一つの大きなポイント」と見解を示した。シーズン終盤にサンプドリアで出場機会が減ったこともあり、自分自身も「(1月に)ケガしてから半年、十分なプレー時間を獲得できていない。もう1回、自分がピッチの上で代表選手としての価値を示さなければいけない」との思いがあるという。
 
 その上で、注目される来季の去就については「良いところがあればいいな、と思います。この2週間で動きがあるかどうかはエージェント(代理人)に任せている」とコメント。「なるようになるでしょう。むしろ何か良い案があれば教えてください、皆さん」と笑顔で報道陣に語りかけた。


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