上写真=長友佑都はリベンジに人一倍熱い気持ちをぶつけるために、練習から挑む(写真◎JFA)
「紙一重なのでね」
すべては、9月2日の黒星がきっかけだった。カタール・ワールドカップアジア地区最終予選の第1戦、ホームのオマーン戦で終了間際の88分に先制点を浴びて、そのまま0-1で倒れた、あの苦々しい敗戦の記憶。
「前回、初戦で負けて悔しさが残っていますので、絶対にやり返すという強い気持ちでいます」
長友佑都は「絶対にやり返す」のところに力を込めた。このまま引き下がるわけにはいかない。
前回対戦で、オマーンは徹底的に日本を研究してきた。残念だったのは、それを真正面から受けてしまったことだった。
「まずは気持ちの面の入りだと思います」がオマーン戦で見せた日本の弱点だ。
「最終予選は厳しいとみんなわかっていたと思うけれど、どちらがその1試合にかけて強い気持ちでやって来たか、そこはオマーンが勝っていたのではないかと思います。僕らはどこかで気のゆるみがあったかもしれない。そこがまず自分たちに足りなかった部分だと思います」
だから次のゲームは、オマーンに対するリベンジであるとともに、あのときに顔をのぞかせた弱い自分たちをたたきのめすための勝負でもあるということだ。そのためにも、ベトナム戦に勝って臨めるのは心強い。
「9月と10月は(2試合のうち最初で)負けて入ったので、雰囲気も難しい状況だったけれど、やっぱり勝つことは士気を高めてくれます。いい状態だと思います」
でも、長友の長年の経験が、大事な何かを訴えかけてくる。
「ただ、逆に言えばその雰囲気がゆるみにつながる可能性もあります。10月は最初にサウジアラビアに負けて苦しい思いをしましたけど、切り替えて強い気持ちでオーストラリアと戦ったことを思い出して、気を引き締めてやらなければ」
一度勝てば次も勝てる、とは限らない。
「紙一重なのでね。雰囲気が良くてもゆるさにつながることもあるので、自分の経験からチームを引き締めることを練習からやりたいと思います」
ワールドカップに出場するためには、オマーンへの、そして自分たちへの勝利をもぎ取らなければならない。