日本代表DF吉田麻也が、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア地区最終予選に向けてオンライン取材で報道陣の質問に答えた。東京五輪世代に求めたいことや、緊張感の中で戦いに挑む自身の心境などを明かしている。

上写真=キャプテンとしてチームを引っ張り、最終予選に臨む吉田(写真◎早浪章弘)

東京五輪世代への期待

 東京五輪というビッグイベントを終え、サンプドリア(イタリア)の新シーズン序盤を終えて帰国した。コンディションについての問いに「コンスタントに試合に出ているのが一番。もちろん疲労はありますし、時差もありますが、ここ2日間しっかり寝られているので、想像していた以上に良い状態だと思う」と語った吉田は、「ただ体は正直ですし、しっかり良いトレーニングをして、良いものを口に入れて、良い休養を取ることは心がけている。コンディションが落ちてパフォーマンスが落ちれば、年齢のせいにされる年だと思っているので、強く意識しています」と、8月24日で33歳になった自身の現状を明かした。

 最終予選の初戦は9月2日、ホームでのオマーン戦。前回の初戦はホームでUAEに敗れており、「初戦で自分たちを苦しめてしまった」と振り返る吉田も、予選の入り方をポイントに挙げた。7日の第2戦はカタール開催ながら、アウェーでの中国戦となり、「アウェーで勝ち点をしっかり奪い取る。ホームとアウェーの戦いは全然違って、移動、気温差、時差、いろいろなものが相まって難しくなる。アジャスト力が非常に大事だと思うので、意識している」とも語る。

 U-24日本代表世代が6人、オーバーエイジの3人を含めて計9人が東京五輪のメンバーという構成について「同じスタッフ、同じ監督の下で、チームが発足してから、いろいろな選手が活動に関わってきた。新しい選手がポッと入って急に合わせなければいけないのではなく、ある程度、全員が他の選手のことを把握できている状態で最終予選に挑めるのは、メリットなんじゃないかと思う」との認識を示した。さらに「特にこの1、2カ月、(東京五輪に向けて)一緒にやってきた選手はフィーリングが合うだろうと思う。オリンピック世代とA代表世代が競争していく中で、良いものを作り上げていけるんじゃないか」とコメントしている。

 今回は1年延期となったが、W杯の中間年に開催される五輪は、そこから次のW杯に向けたA代表への道のりが、常に問われてきた。「オリンピックの意義は、まさにここにあると思っている。大会が終わったから終わりではなく、大切なのは、ここから何人がA代表に食い込んでいけるか、カタール(W杯)のメンバーに入って結果を出せるか」と持論を明かし、「そういう意味では、オリンピックは終わっていないんじゃないかと思う」と、ともに戦った選手たちの今後を見据えた。

 最終予選に向けて「自分自身もオリンピックの雰囲気から、もう一つ上のレベルのA代表の雰囲気、感覚に戻さなければいけないと思っている。オリンピック世代の選手たちにも、もう一つ上のものを求めていきたい」という。「オリンピックのようなピリピリした緊張感の中での試合が、またできるので、ワクワクしている。若いときは予選を戦うにあたって怖さもありましたが、それよりも高揚感の方が強い。気持ちの準備としては非常に良い状態」と語る、心強いキャプテンのパフォーマンスに期待が集まる。


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