上写真=今回のシリーズで川島永嗣は、最終予選進出を決めた5月28日のミャンマー戦に先発フル出場している(写真◎Getty Images)
カタールW杯にたどり着けたら素晴らしい
2010年の南アフリカ大会で初めてW杯の舞台に上がり、2014年のブラジル大会、そして2018年のロシア大会と、これまでに3度のW杯に出場している。来年のカタール大会メンバー入りすれば、川口能活や楢崎正剛と並び、4大会連続の選出となる。
今回のシリーズでは5月28日のミャンマー戦に先発フル出場。相手との力の差かもあり、危ないシーンはほぼなかったが、最後尾から声を出し、10-0の快勝に貢献した。その存在感は、練習でも際立つ。38歳になった今も自らを鍛え上げ、成長を目指す姿勢は、他のGKたちにもポジティブな影響を与えている。
ただ、本人は「お手本にならなければ」とか「何かを伝えなければ」という義務感からトレーニングに取り組んでいるわけではないという。自らの向上を目指す中で仲間と切磋琢磨し、自身の経験を伝えてチーム全体がレベルアップすればいいと話す。ベースにあるのは、自身の向上、そしてチームの発展だ。
「トップレベルであるためには技術だけではなくて、フィジカル的にもいい状態でなければいけないですし、すべての面において年齢には関係なく、向上していかなければいけないと思っています。基準を高く持ってやっていきたい」
たゆまぬ努力と成長を求める変わらぬ姿勢。それこそが川島の特長であり、一線で戦い続ける極意かもしれない。先日、所属するストラスブールとの契約を2年延長した。40歳までヨーロッパで戦うということ。
「このタイミングで2年の契約をもらえるというのは、クラブからの信頼を感じます。僕自身もまだまだ最高峰に向かってチャレンジしていきたいという気持ちでいました。それは昨シーズンを通して多く試合に出た中で感じたこと。これから2年という時間の中で、自分がどう成長していけるか、結果を残していけるのかだと思う。またここからスタートなので、気を引き締めて挑戦していきたい」
川島の全盛期は、まだまだこれからなのかもしれない。「オリンピック見てもそうですし、Jリーグでも若い選手がレギュラーとして出始めているので、そういう意味ではこれから若い選手たちが経験を積んで、もっともっと伸びてくるんじゃないのかなという印象はあります」と日本のGKの未来に期待しつつも、自身も未来を見据えている。「(カタールW杯に)たどり着くことができたら素晴らしいこと。W杯にこれまでに3回行かせてもらっている分、そこまでの道のりが簡単ではないということも理解していますし、自分自身がしっかり結果を残さなければいけない。1日1日、自分ができることを100パーセントやっていきたい」。
カタールW杯を目指す道は、簡単ではない。川島は引き続き己を磨いて、最終予選を戦う準備を進めていく。