上写真=31日のトレーニングでランニングする坂元達裕(写真◎サッカーマガジン)
挫折もたくさんしてきました
3月の招集はケガのために直前で不参加となった。坂元は「悔しい気持ちは大きかった」と振り返る。「ケガをしたのも自分の責任。切り替えてやらなければいけないと思う」とケガから復帰後は強い気持ちでプレーし続け、6月シリーズで再び招集される機会をつかんだ。
「今回はしっかりと結果を残してチームに貢献できる活躍をしたいと思います」
もちろん、参加するだけで意味があるとは思っていない。そこで何を示すかが大事。
「個々の質のレベルが本当に高いですし、その中で自分の良さをアピールしていくためにはどうしたらいいか、常に試合を見ながらイメージはしてきた。レベルの高い中で自分の良さをどんどんアピールできるようにチャレンジしたい」
右サイドハーフ(右ウイング)の伊東純也のプレーを参考にしつつ、自らの特長をいかに発揮するかを考えてきたという。
「ミャンマー戦は、伊東純也さんが右サイドでプレーしていて、やっぱりスピードがある選手で縦にどんどん抜けていくプレーが多かった。自分もそういうプレーが求められるかなというのは感じました。ただその中で少し高い位置でボールを受けながら、ドリブルで仕掛けていったり、中に切れ込んでのクロスとかシュートであったり、よりゴールに近い位置で自分の良さを出していくことが大事かなと思っています」
分かっていても止められないと言われる坂元独特の切り返しや、鋭い突破を代表の舞台で発揮することが期待される。伊東との違いを問われると、「自分は左利きなので、中で切れ込んでからのクロスとか、そういう選択肢があると思っています」と、自分のカラーを積極的に出していきたいと話した。
「攻撃的な選手としてしっかりゴールに絡むことだったり、アシストする、結果を出すことが一番大事なことだと思いますけど、その中で当たり負けないことや守備の面でしっかりハードワークすることが、上にいくためには大事だと思います」
森保ジャパンのベーシックな部分も心得ている。世代別代表に「手が届く存在ではなかった」という坂元にとって、代表は念願の場所だ。「挫折もたくさんしてきましたし、プロの世界に入れるかどうかも分からない時期もあった。チャレンジする場を与えてもらったというのは、自分にとってはすごいうれしいことですし、その上で這い上がってきたからこそ、代表の舞台で結果を残して、いままだくすぶっている若い選手たちに、希望とか夢を与えられるんじゃないかなと思います」と、自身が活躍することで多くの選手に、ポジティブな影響を与えたいという。
坂元達裕は、お客さんで終わることなく、代表に定着することを目指す。大いなるチャレンジがいま、始まった。