上写真=大迫勇也(右)は1人で5得点。南野拓実も先制弾など2得点。ともに圧勝劇の主役になった(写真◎山口高明)
■2021年5月28日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@フクアリ/無観客)
日本 10-0 ミャンマー
得点者:(日)南野拓実2、大迫勇也5、守田英正、鎌田大地、板倉滉
点 勝 分 敗 得 失 得失
1 日本 18 6 0 0 37 0 +37
2 タジキスタン 10 3 1 2 9 8 +1
3 キルギス 7 2 1 2 10 5 +5
4 ミャンマー 6 2 0 4 5 23 -18
5 モンゴル 3 1 0 6 2 27 -25
前半は4ゴール
前半4点、後半6点。日本がミャンマーを当然の圧勝で退けて、ワールドカップ2次予選突破を決めた。
あらゆるパターンで攻めに攻めたが、特徴的だったのは相手の最終ライン前のスペースに入れた縦パス。8分の先制ゴールは吉田麻也が入れた縦パスを鎌田大地、南野拓実、鎌田、南野とワンタッチでつないで最後は南野がGKの出際に軽く浮かして決めたもの。22分の2点目は右サイドで鎌田の縦パスが相手に引っかかったものの、すかさず拾った伊東純也が中に持ち込み、南野に預け、左サイドを駆け上がった長友佑都がクロス、大迫勇也がヘッドで押し込んだ。
この最初の2ゴールに見られたように、最終ラインの前に構える相手は1人だけで、その周辺のスペースががら空き。そこを瞬時に突くだけのパスのスピードと、受けた選手のタッチの柔らかさで自由自在に攻略していくことになる。
30分には酒井宏樹が倒されて得たPKを大迫が決めれば、36分には遠藤航、酒井、南野、伊東のコンビネーションプレーで右を破ってファーへ、長友のヘッドの折り返しを大迫が決めて、ワールドカップ予選2試合連続ハットトリックを達成した。
大迫勇也が5ゴール!
森保一監督がベンチから選手たちに「どんどん縦に入れていっていいよ!」と声をかけたのは、7-0としたあとだった。点差が開いてもなお、縦へ。それがこの試合の重要なテーマだった。
後半は、右サイドからの鎌田のセンタリングを伊東が触って南野がシュート、大迫がコースを変えて押し込んだ49分のゴールで幕を開けた。56分にはまたも右からの室屋成の折り返しを守田英正が蹴り込んで6-0に。
ここで森保監督は62分に守田に代えて原口元気を投入し、4-1-4-1の配置に変えている。
「少し相手の守備を突破できなくなった時間帯はありましたが、常に次の1点を奪う姿勢は見せてくれました。相手が守備を固めてきた中でどうやって崩していくのか、積極的に選手たちが自分たちで感覚をつかみながらトライしてくれたと思っています。これからの自分たちの攻撃力が上がるところにつながればいいと思います」
次なる進歩への「実験」も交えた戦いの意図を、森保監督はそう明かした。
このあとも4点を奪取する。遠藤の素晴らしい即時奪回から大迫が縦パスを差し込むと、南野が相手をかわして蹴り込んだ66分のゴールが7点目。残り3点はすべて右からで、84分に室屋のセンタリングを鎌田が蹴り込み、88分に室屋とのパス交換で右深くに潜り込んだ南野のクロスに大迫がヘッドで押し込んでこの日自身5点目、最後は90+1分に南野の右からのFKに板倉滉がヘッドでたたき込んで、終わってみれば10-0だった。
これで6連勝として、37得点無失点と圧倒的に2次予選を突破した。
「2次予選の結果については浮かれて喜べるようなものではないと思いますけど、力の差は結果的にあったと思っています。引き締めてもっと高いところに目標あることを考えないといけないと思います。しかしながら、どんな相手にもしっかり勝つこと、無失点で相手にやりたいことをやらせないことは力の差はあっても簡単にできることではありません。目標はもっと高いところにあるという志を持って試合に臨んでくれて、目の前の対戦相手といま戦うことにベスト尽くすけれど、もっと高いところを目指しているという姿勢を見せてくれたのは監督としてうれしいです」
森保監督はここまでをこう総括した。まずは第一関門突破、である。
取材◎平澤大輔 写真◎山口高明