上写真=10月シリーズのコートジボワール戦で球際の強さを示した遠藤航(写真◎Getty Images)
球際勝利数はブンデスリーガで1位
10月シリーズでは強豪コートジボワールを向こうに回し、1対1で圧倒的な強さを示した遠藤は、その後も所属するシュツットガルトで存在感を示し、持ち前のデュエルの強さを存分に示している。
ブンデスリーガの公式サイトによれば、「Duel Won(球際勝利数)」で、2位のマテウス・クーニャ(ヘルタベルリン)に7回の差をつけ、リーグトップに立つ(出場7試合で116回)。タフなリーグで力を示している現在の状況について、本人はこう説明する。
「フィジカルのベースは間違いなく上がっていると思っています。あまり駆け引きとかせずにバチバチ当たっていくというのは今、自分の中で特に意識しているところ。日本人だから、うまく駆け引きして奪うというのも大事だとは思うんですけど、基本的にしっかり当たってボールを奪うことにトライしています。当たりに行くにはやっぱり良いポジショニングを取って良い守備をしていかないといけない。ボールホルダーと味方のポジションがどうなのかを常に考えながら自分のポジションを決めています。あとはアプローチスピードも。良いポジショニングからしっかりアプローチをかけて、シンプルに1対1で負けないというベースは、自分の強みとして良くなっていると思っています」
遠藤は海外で戦うために、自身の特長に磨きかけきた。その成果が今、結果なって表れている。シーズン開幕当初は「Duel Won」というデータの存在を知らなかったというが、現在ではその数字を指標として努力を重ねている。「1位を取ることを目標にやっていますね。単独で1位になりましたけど、続けることが大事だと思うし、シーズンが終わったときにも1位にいられるようにしたいと思います」と話す。
今回の代表活動でも、自身の持ち味を発揮し、勝利に貢献するつもりだ。「本当に良い相手と試合ができると思うので、前回に引き続き、結果にこだわりたい。ワールドカップで勝っていくためには、アフリカ勢もそうですけど、こういう中南米の国にも勝っていかないといけないと思う。非常に対戦を楽しみにしています」。その先にはしっかりワールドカップを見据えている。
「チームとしての戦いも大事ですけど、個人がいかにワールドカップに向けて成長できるのか、というところが一番の胆になってくると思う。日本代表の良さというのはチームとしてしっかり戦えるところにある。そのチームのレベルを上げるのは、個人。僕だったら、デュエルの数字が結果に表れることが重要です。強豪国に対して1対1でしっかり競り勝てるような選手たちをそろえることが、ワールドカップで結果を出すための近道になると思っています」
己を磨き、高みに至れば、日本代表のレベルも上がる。10月に見せたパフォーマンスが、何よりの証拠だ。遠藤が信じて進む道は、日本の未来につながっている。