上写真=笑顔で日本代表のトレーニングに臨む南野拓実(写真◎JFA)
奥川の不参加に言及。「この時期では難しい」
イングランド・リバプールに所属する南野拓実は、直近の公式戦3試合では出番がなく、プレミアリーグのマンチェスター・シティ戦ではベンチ外。本人も「(日本代表に)前回合流したとき(10月)よりも(リバプールで)試合に出場している時間が短い」と自覚するが、「トレーニングもちゃんと積んできているし、コンディション面はまったく問題ない」と、状態の良さを強調する。
「(リバプールでの)試合時間が短いぶん、ここでのプレーで何かを示したいという気持ちは強い。(出番が訪れないことは)サッカー選手として起こり得ることだし、悲観的にとらえてはいない。悔しい気持ちはあるので、次、チームに帰ったときにしっかり試合に出られるように頑張っていかないと」
決意を新たに日本代表に合流した南野は、1カ月ぶりに日の丸を背負って戦うこととともに、心待ちにしていたことがもう一つあった。オーストリア・ザルツブルク時代にともに戦った奥川雅也との再会だ。
「彼がチャンピオンズリーグでゴールしたのも知っているし、ザルツブルクですごく活躍している中での今回の代表(招集)だったんですけれど…」
オーストリア合宿直前に堂安律(ビーレフェルト=ドイツ)が日本代表活動に不参加となったことで奥川が追加招集された。しかし、所属するザルツブルクで新型コロナウイルスの感染者が出たため、急きょ参加が見送られることになった。
「来られなくなった理由は、正直、今のこの時期では難しい部分があると思う。僕は一緒にプレーすることをすごく楽しみにしていたので、すごく残念な気持ちです」
南野は、この数日間での奥川とのやり取りについても明かしている。
「彼が『招集されます』というリリースがあった後に連絡を取って、『楽しみやな、一緒にプレーするの』みたいな話を少ししたんですけれど、状況が変わるのがすごく早かった。PCR検査やチームのいろいろな状況があった中で、(奥川が)『参加するかどうか分からなくなりました』みたいな話をしていました。サッカーの部分ではないところなので、残念だなと感じました」
画面越しの南野の表情には、無念さがにじみ出ているようにも見えた。だが、日本代表の活動は今回だけでなく、この先も続いていく。次の日本代表の活動のときこそ、ザルツブルクでともに戦った2人が、今度はサムライブルーのシャツをまとって一緒にピッチに立つ瞬間が訪れるのかもしれない。
「彼はまた次の代表に向けて、チームで結果を出してくる選手だと思っています。今回は残念ですけれど、また次のチャンスのときに自分も一緒にプレーできるように、僕自身も頑張っていきたいと思います」
ザルツブルクの後輩のことを思いながら、南野は日本代表とリバプールでの活躍を誓った。