上写真=10月シリーズで出色のプレーを見せた伊東純也。今回も期待が集まる(写真◎Getty Images)
リーグの目標は10得点10アシスト
1カ月前の日本代表の活動において、最も鮮烈な活躍を見せた一人が伊東純也ではないだろうか。10月9日のカメルーン戦では後半から登場して、右サイドを何度も割ってチャンスを作っていった。13日のコートジボワール戦では先発出場、同じく何度もチャンスを演出して85分までプレーした。
「結果の部分では満足していないですね。得点もアシストもしていないので、そういう部分ではまだまだです。(コートジボワール戦で)チームが勝てたのは良かったと思います」
どれだけチャンスを作っても得点に直接的に絡んでいかなければ納得できない、というプライドをのぞかせる。
コートジボワール戦では堂安律に交代したが、今回はクラブの事情で堂安が合流しない。その分、右のアタッカーとしての期待は倍増する。だから、この言葉に頼もしさを感じるのだ。
「対人の部分では誰が相手でも自信を持ってやれていますね。そこで負けてはいけないですし、自信を持って仕掛けようと思っています」
ベルギーのヘンクに加わって3シーズン目となるが、「シンプルにメンタル面とフィジカル面は上がってるかなという実感はありますね。動じないというか、サッカーで通じあえるというか要求する部分はできていると思います」と心身の強度が高まっている実感がある。それが自信に直結しているようだ。もともと自慢だった突破力に磨きをかけてレベルアップ、前回の代表戦におけるアフリカ勢との対戦でも生きた。
ヘンクでは今季もレギュラーとして活躍していて、直前のリーグ戦ではシントトロイデンと対戦し、先制点をアシスト、鈴木優磨に同点とされながら、自身の競り合いのこぼれ球が2点目につながって、「実質2アシスト」と結果を残している。
「1試合で1回は得点に絡みたいと思っているので、その部分でこの前の試合は良かったと思いますけど、内容の部分では満足していないですね。これでチームが4連勝になったので、それはいいと思います」
得点に関与していくという点では「今シーズンは10得点10アシストできればいいと思っています」と高い目標を立てる。そのためには「得点とアシストを合わせて2試合に1回絡んでいるぐらいなので、それをもう少し増やせればと思っています」と自らに条件を設定している。
それはクラブだけではなく、日本代表でも同じこと。
「得点に絡むこと、チャンスメーク、走ることの部分は自分にしか出せないので、出していければいいと思います」
右サイドで俊足を生かして駆け抜けていくことで、例えば劣勢の状況でも一発で引っ繰り返すことができる。伊東がピッチにいるだけでその選択肢が加わるから、周りの選手たちも非常に心強いだろう。
日本代表では1カ月前の反省を生かしたいが、得点の部分に関してはテーマは二つ。「もっとチャンスを多く作ること」と「相手が強くなるとチャンスは少なくなるので、少ないチャンスをいかにものにするか、最後の精度を上げていきたい」ことだ。
「(代表選出は)まだ当たり前ではないと自分では思っていますし、チームで結果を出したり代表でいいプレーしないと選ばれません。常に危機感を持ってやっています」
その危機感をパナマとメキシコに思い切りぶつけて、今回こそは結果に結びつけてみせる。