10月13日、日本がコートジボワールを1-0で破った国際親善試合。90分フル出場したことを収穫としたのが鎌田大地だ。トップ下でボールを引き出してはフィニッシュに向かうプレーで貢献。2列目の争いがまた激しくなってきた。

上写真=細かなミスを嘆いたものの、鎌田はビッグチャンスにも絡んだ(写真◎Getty Images)

「僕はああいうところでほしいので」

 イージーミスが多かったと反省しながらも、鎌田大地が強調したのは「もっとパスを入れてくれ」の思いだった。

「すごくチャンスがあったので、(シュートを)入れきれないとダメなシーンがありました。自分らしくないミスもあったし。でも、僕自身が(スペースに入って)浮いている状態の中でパスをもっとつけてくれてもいいと思ったんですけど、まだチームメートとの関係が浅いのかな。逆に言えばもっと良くなると感じています」

 この日の役割は、4-2-3-1のフォーメーションの中で、1トップの鈴木武蔵の後ろに構えるトップ下。鈴木が「いい関係性ができていたと思います」と話したように、裏抜けが得意な鈴木が守備ラインを押し下げて作ったスペースに、鎌田が入り込んでいった。ただ、鎌田にしてみれば、思ったよりもパスが出てこなかった、という感触が強い。

「フランクフルトだったらそれでも僕のところにつけてくれて、前を向けるシーンがあるので、もっともっとやればやるほど良くなると思います」

 所属チームでの感覚と代表でのプレーのギャップは、常につきまとうジレンマ。それでも「前半の途中から相手は3バックから4バックにして僕のところにマンツーマン気味につくようになって、足元に入ったときにがっつり来るから嫌だなと思っていた」のは、コートジボワールがそれだけ鎌田を警戒してきた証拠にほかならない。

「僕はああいうところでほしいので、そこは要求し続けていきます。トップ下で出るのは初めてぐらいなので、時間も必要かなと思います」

 時間さえあれば深まるという自信だ。

 悔やまれるとすれば、2つのフィニッシュワークのシーン。44分に左からの中山雄太のパスを受けて左足から右足へ、もう一度右足から左足に切り替えして狙ったシュートは相手のブロックにあった。58分にも右サイドの伊東純也からの横パスをうまく体の前でさらしながら体の角度をゴール方向に向けて、前に持ち出してシュート、GKに弾かれたところをもう一度狙ったが、またもGKに防がれた。

「前半のチャンスは思うところに止められず、後半のシーンも本来なら自分の頭の中では入るパターンというか、入ると思ってたんですけど、疲れていたのか踏み込みが弱くて思ったところに蹴れませんでした。いいときはああいうのは決められるんですけど、今日は決めきることができなかったので、そこは改善しなければいけないところ。ただ、そういう日もあると思って、今日は本当に(植田)直道くんに救われました」

 最後は決勝ゴールを決めた植田を立てたが、自分がヒーローになることができたはずだという悔しさも残ったはずだ。だが、そのゴールでチームを救う日はきっと来る、そう思わせる90分間のプレーだった。


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