上写真=ゴールでアピールを。三好はコートジボワール戦で輝けるか(写真◎JFA)
得点は常に狙っている
森保一監督は10月9日のカメルーン戦で、前半は4-2-3-1、後半は3-4-2-1のフォーメーションを採用した。今回、激戦区だとして話題になっているのは、前者の「3」、後者の「2」のエリア。パスも出せてドリブルもできてゴールも狙える、攻撃自慢のアタッカーがひしめく場所だ。
今回の招集メンバーでは堂安律、南野拓実、原口元気、伊東純也、久保建英、鎌田大地、そして三好康児がいる。招集メンバー外でも香川真司、中島翔哉、乾貴士、宇佐美貴史など、とにかく多くの選手たちが呼ばれている。タレントの宝庫だ。
三好がいまこの代表で挑むのは、サバイバル。自己分析はどんなものだろうか。
「ボールを触った中でチャンス作っていくところですね。特徴を持った選手がいますが、それぞれにストロングがあって、僕は左利きということもあるし、ボールを触ってリズムを作ったり打開して得点していくという、自分にしかないものがあります」
まずは技術についてだ。小柄で左利きのテクニシャンという特性から久保建英と比較されがちだが、次々にボールに関与していきながらボールを動かしてテンポを作っていくことに、自信を隠さない。
特別なのは、どのポジションでもできるというオールラウンド性だろうか。その能力で差別化を図っている。
「ポジションにこだわっているわけではないので、2列目でボールに触れれば、どういう状況でもチャンスメークできますね。自分でどういったプレーが得意かは理解できているので、そのポジションに入ったらどんなプレーをするのが有効かを選ぶのが特徴です」
サイドを変えると見える景色が異なって戸惑う選手もいるが、右なら右で、左なら左で、中央なら中央でできることを選択するという頭脳があるのだ。
それをさらに磨くために、昨季から戦いの場をベルギーに移し、アントワープで奮闘している。手に入れたものは多い。
「まずは自分の表現の仕方ですね。1年目はコミュニケーションの問題など、初めて1人で海外に来て戸惑うこともあったんですけど、いまはより自信を持って何をすればいいか、どう表現すれば周りが分かるかが明確になっています」
「いろいろなことを経験して、自分の中で整理してプレーしていくたくましさは、この1年で成長したと思っています」
ベルギーで人間的成長とフットボール的成長がかみ合っている実感がにじみ出てくるが、それをいま、日本代表でも生かしているところだ。
「サッカーは個人でできるスポーツではないので、連係はコミュニケーションを取って有効かどうかを判断しながらやらなければいけないですね。チームメートと共有できればどのポジションでもチャンスは作れると思っています」
「まず日本語が使えるので、そこは自分のチームでプレーするよりは確実にコミュニケーションは取りやすいですし、多くの経験をされてきた先輩から吸収したい気持ちがあります。もちろんプレーに入れば年齢は関係ないので、どれだけ分かってもらえるか、分かってあげられるかが大事になります。コパ・アメリカのときはアンダー世代の選手が多かったので、いろんな世代の人がいる代表は今回が初めてで、たくさん共有できればいいと思うし、その中でコミュニケーションを取れるのは自分の特徴なので、経験しながら楽しめればと思います」
カメルーン戦では出番がなかっただけに、コートジボワール戦にその思いをぶつける。
「相手はフィジカルにストロングがあって、日本代表として戦う上で個人の勝負で負けないのが前提ですが、ボールを持った中で崩す連係、連動は特徴の一つです。それを共有して相手を崩していくイメージはできています。その中で得点は一番大事になるので、常に狙っていければと思っています」
出場すればフル代表は4試合目。コパ・アメリカではウルグアイから2ゴールを挙げて勝負強さを強烈に印象づけたから、ここでもまたゴールで爪痕を残したいところだ。