上写真=A代表デビューから一夜明けた10月10日、オンライン取材で笑顔を見せる菅原(写真◎スクリーンショット)
「どこで出てもいいように準備した」
今回が初招集となった菅原のA代表デビューの瞬間は、0-0で迎えた86分に訪れた。MF原口元気と交代して左アウトサイドに入り、アディショナルタイムも含めて約7分間プレー。「サッカーを始めたときからずっと、A代表のピッチに立つことを目標にしてきました。短い時間でしたがピッチに立つことができて、うれしかった」と思いを語った。
本来の右サイドではなかったものの、「ピッチに立てるのなら、どのポジションでもいいのが自分のスタンス。日本代表のためなら、どこでも大丈夫ですと合宿中に森保さんとも話していた」という。「どこで出てもいいように準備したし、いつチャンスが来るか分からないのがサッカー。ずっと心の準備をして、ピッチに立ったときに何をすべきかを考えていた」という中でのデビュー戦だった。
試合後は、名古屋グランパスの公式ツイッターの投稿が話題となった。2018年ロシア・ワールドカップ前に当時の名古屋U-18のメンバーが、先輩の吉田麻也に向けて日の丸に寄せ書きをした際、ほとんどの選手が「頑張ってください」と書く中で、菅原だけが「待っててください」と書いたというエピソードだった。
「確かに『待っててください』と書きました」と菅原は語り、吉田も今回の活動が始まった当初、その話をしていたという。「『もう来た』『すぐ来ちゃったよ』と話していて、『2年間、待たせてすみません』という感じだった」と笑った菅原は、「覚えていてくれたのはうれしいですし、自分がそういうメッセージを残して実現できたのは、いいこと。口に出して、具体的にしていくことがA代表デビューにつながったと思う」と有言実行への道のりを振り返った。
その吉田から試合後に「おめでとう、と言ってもらった」そうで、「昔の友達やチームメイト、いろいろな方からも連絡が来て、デビューしたんだなという気持ちがある」と心境を語った。ただ、満足することはなく「自分は、まだまだこれからの選手。これをスタートと捉えて、自分の成長につなげることができるように、と全員に返信しました」と明かしている。
名古屋U-18からトップチームに昇格して、海外に活躍の場を移し、日本代表でも不動の存在となっている吉田は、同様のキャリアを歩んでいる菅原にとって「大きなモチベーションで、目指すべき存在。早く一緒のピッチに立ちたかった」。寄せ書きに書いた思いを実現し、「まずは2年前の自分に、ようやくここまで来ることができたと伝えたい」とコメントした。
だが一方で「自分としては追い越さなければいけない存在で、追い付け、追い越せだと思っている」ときっぱり。「いま吉田選手が日本代表に与えている以上のものを、自分が日本代表に与えることができるようになったとき、自分が吉田選手と比べて、どうだったかが分かると思う」と、新しい未来を見据えていた。