上写真=約1年ぶりに代表チームの練習着に袖を通した権田(写真◎JFA)
「全力でやるしかない」
新型コロナウイルスの影響により約1年ぶりとなる代表活動。ポルトガルから合宿地のオランダにやって来た権田は「日本のトップオブトップの選手と一緒に練習することを目的に海外移籍したこともありますし、1年間活動はなかったけど、常に代表を意識しながら生活していたので参加できてうれしい」と心境を語った。
所属するポルティモネンセでは昨季途中から正守護神として活躍したが、今季は状況が一変。開幕から2試合連続でベンチから外れ、第3節でようやくベンチ入りしたものの出場はない。「今シーズンはどう見ても良い状況ではない」と苦境を認め、「ヨーロッパの市場は昨日で一回閉まってしまった。日本は今月いっぱい空いていますけど、いろんなことを考えながら、何が自分にとってベストなのかを考えないといけないと思っています」と、出場機会を求めて移籍も視野に入れている。
だが、意地もある。森保ジャパンではアジアカップやW杯アジア2次予選など主要試合でゴールマウスを任されてきた。「ワールドカップという目標に向かって、常に成長していくキャリアを描いてきた」という権田にとって、いまが踏ん張りどころ。
「僕は31歳だけど海外でそんなに経験があるわけではない。これから積み重ねていかないといけないと感じているし、日本のゴールキーパーはこれだけできる、と地位を上げていかないといけない」
今回のオランダ遠征には、日本人GKとして初めて海外移籍に挑戦し、4大会連続でW杯メンバーに選出された川口能活U-23代表GKコーチも参加。権田は「子どものときに目標にしていた選手で、そういう人からいろんなアドバイスをもらえるのは選手としてプラスになるし、純粋にうれしい」と白い歯を見せつつ、「能活さんに聞きたいことはたくさんあるので、どこかの時間を見つけて聞いてみたい」。川口GKコーチも海外で出番に恵まれない時期を経験しており、先輩からの助言を求めるつもりだ。
自身の置かれた立場も変われば、チームとしても「これだけ期間が空いたので違う課題が出る可能性もあると思っている」。権田は「ワールドカップで結果を残すための2試合だと思うので、そのために有意義に使いたい」と遠征の意義を語り、「僕は評価される立場なので、全力でやるしかない」と限られた時間でのアピールを誓った。