なでしこジャパン(日本女子代表)は9日、『EAFF E-1選手権』の初戦、台湾戦に臨み、4−0で快勝した。キャプテンで本来はCBの高橋はなは、センターフォワードとして先発し、途中から右サイドバックを務めて勝利に貢献。試合後には、なでしこJでプレーする覚悟を語った。

上写真=チームの3点目をスコアした高橋はな(写真◎Getty Images)

監督が求めるならキーパーグローブから買いに行こうかな

 キャプテンマークを巻き、FWとして先発。前線からの守備と後方からボールを何度も引き出し、収めて攻撃のアクセントになった。後半早々の48分には山本柚月のボール奪取の流れから裏に飛び出し、相手GKの位置を冷静に見極めて華麗にプッシュ。相手の心を折る、日本の3点目を生み出した。

 八面六臂の活躍で勝利に貢献した高橋はなには、ニールセン監督も称賛を惜しまなかった。

「彼女ならどこでもプレーできる。GKでもプレーできるだろう」

 実際、試合途中から右サイドバックにポジションを移し、守備を引き締めたが、「監督が求めるならキーパーグローブから買いに行こうかなと思います」と笑わせた。それは冗談にしても、チームの勝利のためなら何でもやる覚悟がある。

 対戦相手がコロンビア、ブラジル、スペインと強豪ばかりなこともあるが、直近のなでしこジャパンは4戦未勝利だった。そもそもなでしJのメンバーも大きく違ったとはいえ、チームとして勝利を欲している状況だったのは間違いない。攻撃から守備へと切り替わった瞬間、前線で相手ボールホルダーに深いタックルを仕掛けた高橋の気迫から勝利への強い意欲を感じた。

「この大会もやっぱりなでしこジャパンとして臨んでいるわけで、その中で相手とか大会関係なく勝利っていうことは、日本の女子サッカーにとっては必要なことだったんじゃないかなと思います。勝てて良かった」

 日の丸を背負って戦う重みを誰よりも知っている。この日は8人が代表デビューを飾ったが、その中で2019年からなでしこJに名を連ねる高橋は大きな役割を果たした。

「責任を持って、覚悟を持って臨まなきゃいけないので、そこに対して私もしっかり気持ちを持って臨みました。ただ、私もこの場所が確約ではないので、ほんとに勝負の中で生きている。そこは、みんな同じ立場なんじゃないかなとは思います」

 チームの一員として勝利を求めるのはもちろん、個人としてもしっかりパフォーマンスを発揮することを目標としていた。その意味で初戦で4−0と快勝したことは大きいが、高橋にすればこれが最低限。「(次の相手の)韓国は力強いし、チームが1つになって戦うイメージが強いので、本当に厳しい戦いになる」。目指すは、優勝のみ。キャプテンは次戦を見据え、気を引き締めた。


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