上写真=日本は13分、藤野あおば(右から2人目)がFKを直接沈めて先制した(写真◎Getty Images)
■2024年7月25日 パリ五輪・GS第1節(@スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール)
スペイン女子 2-1 日本女子
得点:(ス)アイタナ・ボンマティ、マリア・カルデンテイ
(日)藤野あおば
浴びたシュートは15本
昨年の女子ワールドカップでスペインは優勝しているが、そのグループステージで対戦した日本は、4-0で勝利を収めている。2度目のオリンピック制覇へ向けて、その再現を狙って臨んだ一戦となった。
キックオフから日本は好調だ。スペインの4-3-3に合わせて4-4-2のフォーメーションで臨むと、3分、田中美南のワンタッチパスで裏に抜け出した藤野あおばが左足で狙い、GKに弾かれたもののスタンドを沸かせた。するともう一度藤野が、今度は本物の歓喜を呼び起こす。
田中が倒されて得たゴール右からのFK。藤野が右足を振ると、眼の前にできた壁の外を巻くようにしてGKの手をかすめてゴールに飛び込んだ。13分、日本が見事に先制してみせた。
しかし22分、日本の左で混戦からボールを失い、アセネア・デル・カスティージョの短いスルーパスでアイタナ・ボンマティに抜け出され、GK山下杏也加もかわされて流し込まれた。
この同点ゴール以降、日本は防戦一方。ボールの失い方が悪く、スペインの素早く的確なボール回しになんとか食らいついていく時間が長く続いた。日本はワールドカップのときと同じようにカウンターに活路を見出したかったが、その機会もごくわずかだった。
後半に清家貴子に代えて浜野まいかを右サイドに投入すると、宮澤ひなたを左に回して守備時に最終ラインに組み込み、5-4-1の立ち位置で構える陣形でスペインのサイド攻撃をケアした。65分にはアクシデントが発生、清水梨紗が右ひざを痛めて、69分に高橋はなと交代を余儀なくされた。
しかし、ついに均衡が崩れた。スペインは74分、マリア・カルデンテイが左からカットイン、中央のボンマティに預けてからリターンをもらい、右にずらしてゴール右へと送り込んだ。
この後もお手本のような崩しに何度もゴールに迫られ、日本の攻め手はほとんどなし。シュート数でも14対3と圧倒されて、初戦を1-2で落とすことになった。
▼出場メンバー
・日本◎GK山下杏也加 DF清水梨紗(69分:高橋はな)、南 萌華、熊谷紗希、古賀塔子(90分:守屋都弥) MF宮澤ひなた、長谷川唯、長野風花、清家貴子(46分:浜野まいか) FW田中美南(80分:千葉玲海菜)、藤野あおば