上写真=鮮やかなヘディングで相手を突き放す2点目を決めた藤野あおば(中央/写真◎Getty Images)
結果に結びついてよかった
相手を突き放す1点がほしい時間帯だった。前半26分に高橋はなによる先制点をスコアした日本だったが、北朝鮮が66分に3枚替えを行った以降は劣勢になる場面が目立ち始めた。そんな流れの中にあって、藤野あおばが重要なゴールを決めた。
76分、長野風花がダイレクトで右サイド深い場所にボールを通し、ボックス右横で清水梨紗が追いつく。同時に追っていたCBのパク・シンジョンと競り合うことになったが、清水はタイミング良くボールを突いて股を抜き、中央へ柔らかなクロスを供給。そこへ藤野がタイミング良く飛び込んだ。
「梨紗さんがクロスに入ったときに、最初はマイナスで受けようとしたんですけど、クロスを絶対決めたいという思いと、ボールはたぶんキコさん(清家貴子)へだった思うんですけど、自分が決めたという気持ちがあって入っていったら決められてよかったです」
第1戦と同じく北朝鮮は5バックを採用し、日本の攻撃に対抗してきたが、藤野によれば前線の3人の「距離感を意識して」プレーし、『動き』を生んでいたという。
時にボールを引き出し、1対1を仕掛け、守備でもハードワークし続けた結果、決勝点となるゴールを生み出すことになった。
「自分のゴールで決めたいと思っていましたし、初戦、シュート数が少ないというところは自分でも課題に思っていたので、積極的に狙っていこうと思っていて結果に結びついてよかったです」
パリ五輪行きを決める値千金のゴール。先月、二十歳になったばかりアタッカーが決めた一発は、歴史に刻まれることだろう。