日本女子代表(なでしこジャパン)は22日、FIFA女子ワールドカップの初戦、ザンビア女子代表戦に臨んだ。序盤からペースを握った日本は前半に1点、後半に4点をスコアし、5−0で快勝。2011年大会以来の優勝を目指すチームは大事に初戦をモノにした。

上写真=先制ゴールを含む2ゴールをスコアし、勝利に貢献した宮澤ひなた(左)と前線で躍動した田中美南(写真◎Getty Images)

■2023年7月22日 女子W杯GS第1節(@ワイカト)
ザンビア女子 0−5 日本女子
得点:(日)宮澤ひなた2、田中美南、遠藤純、植木理子

ピッチに描かれた『なでしこらしい連動』

 試合開始直後から日本がボールを握り、ザンビアを押し込んだ。縦パス、落としのパス、ダイレクトで背後へパス、裏への抜け出しというパターンで何度もチャンスを創出。しかし、シュートが決まらず、なかなかゴールが生まれなかった。

 田中や藤野がゴールに迫り、21分には敵陣右サイドのFKの流れから田中が蹴り込み、ネットを揺らしたが、VAR、オンフィールドレビューの結果、オフサイドの判定。日本ペースで試合を進めながらもゴールだけが奪えない状況が続いた。

 ただ、攻めあぐねて相手にカウンターを許すことはなく、日本は集中した守りでシュート機会を与えなかった。危険なFWバーバラ・バンダも常に監視下に置き、ボールが入れば複数人で囲い込んで自由にプレーさせなかった。

 攻守両面で相手を上回り続けた日本がついにスコアを動かしたのは、前半終了間際の43分のこと。流れるようなコンビネーションでゴールをこじ開けた。右サイドでボールを持った長谷川が相手の右サイドバックの背後にバックスピンをかけた浮き球を送ると、藤野がこれに反応。相手の最終ラインとGKの間に早いタイミングでカーブをかけたクロスを送ると、中央から宮澤が飛び出し、右足ボレー。3人の優れた技術が結びつき、先制ゴールをつかみ取った。

 1点をリードして迎えた後半、日本はザンビアの攻め気を逆手に取ってゴールチャンスを迎えた。だが、49分に決まったかに見えた田中のシュートはVARの結果、再びオフサイドの判定。51分に藤野がスルーパスに抜け出し、ボックス内で相手GKと交錯して倒されてPKを得たが、これもスルーパスの時点でオフサイドとなり、PKは取り消された。

 日本にとっては何とも嫌な流れだったが、ペースを落とさず相手ゴールを目指すことでその流れを断ち切ってみせた。55分、長野の縦パス、長谷川のスルーパス、遠藤の抜け出しからのクロスとボールが動き、最後はオフサイドラインを気にしながら中央に飛び込んだ田中がスライディングシュート。3度目の正直でついに自身にとってのW杯初ゴールを刻んだ。

 日本はペースを持続し、62分には追加点を記録する。右サイドのゴールラインギリギリのところで田中が粘ってクロスを中央へ送ると、相手守備陣よりも早く反応した宮澤がフリーで飛び込み、シュート。リードを3点に広げるゴールが決まった。

 ザンビアの心を折る4点目は、左右の揺さぶりから生まれた。71分、右サイドからボールを左に展開し、最後は長谷川からパスを受けた遠藤がGKとの間合いをはかって左足で蹴り込み、ザンビアをさらに突き放した。

 その後も日本は積極的にボールを動かし、ザンビアを翻弄。アディショナルタイムには長谷川のスルーパスに抜け出した植木がボックス内でPKを獲得し、植木がそのままキッカーを務めた。一度はストップされたものの、GKが先に動いたことでやり直しとなり、2度目は冷静にネットを揺らした。前回大会は直前のケガで選出されながらも離脱。植木にとっては4年越しのW杯初ゴールとなった。

 守備でも熊谷を中心に最後まで相手にシュートを許さなかった日本は、文字通り攻守両面で相手を圧倒。5−0で大事な初戦をモノにした。この試合がW杯デビューの選手も多かったが、どの選手もその持ち味を発揮したことは、今後の試合に向けても大きい。

 2011年大会以来の優勝を目指すチームにとっては、最高のスタートと言っていいだろう。次戦は26日のコスタリカ戦。初戦圧勝の勢いを駆って、連勝を目指す。

▼出場メンバー
・日本:GK山下杏也加、DF石川璃音、熊谷紗希、南萌華、MF清水梨紗、長谷川唯、長野風花、遠藤純(77分:清家貴子)、藤野あおば(77分:猶本光)、宮澤ひなた(90+3分:千葉玲海菜)、FW田中美南(66分:植木理子)


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