世界一奪還を目指すサッカー日本女子代表・なでしこジャパンの“新エース”として、大きな期待を背負っているのが、日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属の植木理子選手だ。昨年の代表戦では11試合8得点を記録するなど、日本を代表するストライカーとして活躍する植木選手が、今夏のFIFA女子ワールドカップ2023に懸ける思いを語ってくれた。
彼女が男子に混じってサッカーを始めたのは、小学校5年生の時。2011年、なでしこジャパンが初めてワールドカップを制して世界の頂点に立ち、“なでしこフィーバー”を巻き起こした頃だ。
「その頃から、休み時間に女子も一緒にサッカーをしてくれるようになったんです。なでしこジャパンでプレーしたいというよりも、自分が大好きなサッカーを一緒にできる仲間が増えるのが嬉しくて、『女子サッカーを広めたい』という夢がすでに芽生えていました」
中学生になると、現在所属するベレーザの育成組織である日テレ・メニーナ・セリアスに加入。女子サッカー最高峰の環境でメキメキと実力を伸ばし、高校2年生の時には早くもトップチームデビューを達成した。
当然、日本代表からも声が掛かり、U-17女子ワールドカップ(2016年)では準優勝、U-20女子ワールドカップ(2018年)では優勝を果たした。まさにエリート街道まっしぐらに成長し実績を積み上げ、2019年には初めてなでしこジャパンにも招集されることになった。
順風満帆に見えたサッカー人生だが、2019年、最大の苦しみを味わうことになる。当時19歳。ワールドカップフランス大会のメンバーに招集され、いよいよ女子サッカー世界最高峰の舞台に立てるという直前に、怪我により離脱を余儀なくされてしまった。
「いま冷静になって考えると、当時は自分でも考えられないぐらい涙が溢れて悔しかったです。心が空っぽの状態で、頑張ることをやめてしまいそうになるほど……」
その後、東京2020オリンピックのメンバーからも落選。ベスト8で散っていったチームを、悔しい気持ちで見ているしかなかった。
2023年は、怪我で離脱したフランス大会から4年、再び巡ってきたワールドカップイヤーだ。オーストラリア・ニュージーランド共催のこの舞台で、世界一の栄光を奪取することを誓う。
「ワールドカップに行けなかった悔しさを晴らせるのは、ワールドカップの舞台でしかないですから。目の前のことに一生懸命取り組みながら、一日一日を大切にして、代表でも結果を残します」
目指すのはもちろん2011年以来のワールドカップ優勝。世界の頂点に立った後には、子供の頃に体験した“女子サッカーから多くの仲間とつながる世界”もきっと見えてくるはずだ。自らの力でその夢を掴むべく、彼女は今日も虎視眈々とゴールを狙い続ける。
こちらに掲載したインタビューのほか、若くしてなでしこジャパンに選ばれた頃の複雑な心境や、池田太監督体制後の振り返りなど、カラー2ページにわたる植木理子選手のインタビューは、3月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツマガジンVol.93』に掲載されています。
うえき・りこ
1999年7月30日生。神奈川県川崎市出身。日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属、背番号「9」。10歳の時にサッカーをはじめ、小学校卒業後はベレーザの育成組織であるメニーナ・セリアスに入団。高校1年生でトップチームデビューを果たし、2018年よりベレーザに昇格。なでしこリーグ5連覇に貢献した。2021-22WEリーグ優秀選手賞受賞。2022年1月、AFC女子アジアカップのミャンマー戦で代表初ゴール。2023年1月現在、国際Aマッチ通算17試合8得点。
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