上写真=清水梨紗は大会連覇を遂げて、キャプテンとしてカップを掲げたい(写真◎小山真司)
外から見た学び
「絶対、勝ちにこだわります」
今回のE-1選手権で日本は連勝で勝ち点6、中国は1勝1引き分けで勝ち点4。引き分け以上で日本の優勝が決まる。でも、勝たなければ意味はない。引き分けを狙って引き分けられるほど中国は甘くはないし、2月3日にAFC女子アジアカップ準決勝で2度のリードを追いつかれ、2-2のままPK戦に持ち込まれて敗退させられた悔しさを晴らすには、勝って優勝しかない。
だから、最終戦となる中国戦を前に、当然のことだが清水梨紗は勝利を誓った。
「優勝かリベンジか、どちらかが欠けたらいい結果はついてきません。どちらも同じぐらいのモチベーションでやっています」
韓国に2-1、チャイニーズ・タイペイに4-1と連勝した。今回は熊谷紗希や長谷川唯など、海外のクラブに所属する主力選手の一部が不参加。だからこそ、この大会でキャプテンを務める清水にとっては、目標としていたチームの底上げを喜ぶ。
「韓国戦では1-1に追いつかれてから、主導権を握れない中でも2-1で勝ちきれたこと、2戦目では新しくメンバーに入った選手がスタメンに多くいる中で、先制点を取られたものの準備してきた形で点を取れたこと、どちらもチームとしてすごく自信になりました」
池田太監督が就任してからここまで、すべての試合に先発してきたが、チャイニーズ・タイペイ戦で初めてベンチから仲間のプレーを見た。「外から見て、学ぶことができました」と新たな発見を楽しんだ。
「ありがたいことに、太さんが監督になってからずっと試合に出させてもらっていて、今回外から試合を見たのは初めてでした。当たり前かもしれないけれど、11対11の全体を見ることができて、こうした方がいいんじゃないかというシーンもたくさんありました。そこは出ている選手に声をかけましたし、自分がもし出ていたらここでこういうアクセントをつけたいな、と気づくことができました」
それがまた、清水の力になっていく。尽きない運動量と攻撃参加が自慢の右サイドバックは、いまやなでしこジャパンの象徴的存在。中国にリベンジするそのときを待ち構えている。
「中国にはアジアカップで最後の最後に追いつかれて、タフなチームだなと。決勝でも韓国に対してビハインドから優勝に持っていった力のあるチームです。どういう状況でも最後の最後まで結果が見えてこないと思います」
中国に勝ってリベンジを果たし、大会連覇へ。それがなでしこジャパンの価値を高めることにつながっていく。
「見ている方に届くのは得点や勝ちで、それは自分もうれしいですしサポーターの方も喜んでくれます。試合の結果や得点によって、見ている人に何かが届けばいいと思います」
キャプテンだから、優勝すれば一番にカップを掲げることができる。その歓喜の瞬間まで、もう少し。