上写真=なでしこジャパン候補のトレーニングキャンプ中にオンライン会見に臨んだ猶本(写真◎スクリーンショット)
「チャンスで決められるかどうかは大きい」
1月から2月にかけての女子アジアカップを経て、今回のトレーニングキャンプは約2カ月ぶりの代表活動。池田太監督が代表のサッカーを「思い出すことを含めて確認が必要」と語るキャンプで、猶本も「自チーム(三菱重工浦和レッズレディース)でやっているサッカーと、代表で求められるサッカーは違う部分がある。選手同士の距離感も違うので、フィットしていきたい」との考えを示した。
女子アジアカップでは初戦のミャンマー戦でFKを直接蹴り込み、代表初ゴールを決めた。2023年女子ワールドカップ(W杯)の出場権は獲得したものの、チームは準決勝で中国に敗れて3連覇を逃し、その試合で出場機会がなかった猶本にとっても悔しい結果に終わっている。
なでしこジャパンでのボランチとは異なり、浦和では現在4-2-3-1のトップ下でプレー。より得点への貢献が求められるポジションでの経験を、代表につなげていく上では「レッズでやっているより(ゴール前で自ら得点を決める)チャンスは少ないと思う。そういうチャンスで決められるかどうかは大きい。そこの精度にはこだわってトライしている」と明かした。
シュートや得点への意識が変わったきっかけは、2012年に日本で開催されたU-20女子W杯だったという。ボランチの一角で全6試合にフル出場したが、準決勝でドイツに0-3で完敗し、大粒の涙を流した。さらに、2018-19シーズンに移籍したフライブルク(ドイツ)で「結局ゴールだと、すごく強く感じた」と振り返る。
ドイツでの印象的なエピソードとして挙げたのは、加入直後の練習。ミニゲームでゴール前からシュートを打たず、フリーの選手にパスを出すと、その選手は猶本がシュートを打つと思っており、反応していなかった。すると「相手チームのセンターバックに、シュートを打てと怒られた。それが衝撃だった」。また、2年目のシーズンの監督には、当時トップ下でプレーしていたこともあって「あなたにはゴールを決めることを求めている、と言われた」との思い出もある。
女子W杯など世界レベルの戦いを見据えれば、なでしこジャパンでも得点への貢献が、より強く求められる。猶本は「まずは、しっかり球際で奪い切ることなど、守備でチームに貢献することに加えて、チャンスでゴール前に上がっていって仕留めたり、そういうプレーを出していけたら」とイメージを膨らませていた。